散歩の百三十三話 今後の捜査方針と指名依頼

「本当に申し訳ありませんでした」


 僕とアオが二日酔いの人達を治療した後会議をする事になったのだが、会議前に大量の酔っ払いを生み出した元凶のスーが治療を受けて復活した人に綺麗な土下座をしていた。

 どうやらスーは僕が飲み過ぎでダウンすると、次から次へとターゲットを定めて乾杯の嵐を引き起こしたらしい。

 流石に今回はやりすぎたと、スーも反省している様だ。


「ははは。いやあ、まさかねえちゃんがここまでお酒が強いとは思わなかったぜ」

「うう……」


 実行委員長にもからかわれる様に言われて、スーは更に落ち込んでいた。


「まあ、周りも盛り上がっていたし、これからは気をつけると言う事だな」

「うう、申し訳ありません」


 ここは辺境伯様が締めて、とりあえずスーの謝罪は終了です。

 まあ、色々な事の祝勝が重なっていて、みんなのテンションも凄かったからなあ。

 スーが乾杯の嵐をしなくても、二日酔いの人は大量に出ていただろう。


「では、本題に入ろう。教会の事件に関しては、当面は教会内の捜索と関係者の事情聴取がメインになる。これは、聖騎士団と辺境伯領の兵の合同で行なう事になる」


 辺境伯様が今後の事を話してくれたけど、この辺は予想通りだ。

 僕達も下手に関われない所になる。

 実行委員長も辺境伯様の話を聞いて、うんうんと頷いていた。


「奴隷市場も改めて捜索を行うが、その際には商店街にも協力を得たい」

「お館様、勿論協力するぜ」

「ギルドも、改めて職員への聴取が必要だろう。そこはギルドに任せよう」

「はい、結果が分かり次第共有します」


 商店街側とギルド側の対応も、とりあえずはこんな感じ。

 既に一回行っている事の再調査ですね。

 そして、話は僕達冒険者組になった。


「教会が壊れている上に、司祭や教会の関係者が捕縛されている。その為に、治療などの市民への行為が出来なくなっている。そこで、次の司祭や教会関係者が到着するまで、定期的に治療を行って欲しいのだ。これは指名依頼扱いとする」

「分かりました。協力いたします」

「うむ、頼んだぞ」


 元々花見祭りで無料治療は行っていたし、治療も週に一回で良いそうだ。

 というか、僕も冒険者としての治療対応は久々なので、ちょっと楽しみだったりする。

 これで話し合いは終わったので、僕達は辺境伯様の屋敷から宿に戻ります。

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