散歩の百二十六話 連携して攻撃

「バフォメットを囲む様に陣形を取るのだ」

「「「はっ」」」

「あたし達もいっちょやるか」

「うむ」


 辺境伯様の指示で、僕達はバフォメットを囲む様に陣取る。

 そして、冒険者組が何故かバフォメットの正面に立つことに。

 シロとアオも、バフォメットの正面に立っています。

 皆バフォメットを倒そうと、やる気満々だ。


「よし、魔法を放て!」

「「「えーい」」」


 ズドドドーン!


「buhu!」


 魔法使いも複数箇所配置し、辺境伯様の指示で魔法を放っていきます。

 フランとホルンもスーの側にくっついているけど、それでも勇気をもってバフォメット目掛けて魔法を放ちます。


「おらおら、よそ見するなよ!」

「ここで倒れてもらうぞ!」


 顔に魔法を受けて視界が悪くなったバフォメットを目掛けて、冒険者組が一斉に攻撃を仕掛けます。

 毎朝一緒に訓練しているだけあって、冒険者組の連携はバッチリです。

 お互いに牽制を交えながら、バフォメットに襲いかかります。


「guuu」

「よし、冒険者組はそのまま牽制で。第二弾攻撃開始!」

「「「はっ」」」

「おっしゃー! やったるで!」

「あんたもしっかりとやんなさいよ」


 バフォメットの注意が正面にいる冒険者組に向いた所で、聖騎士の偉い人の合図で聖騎士団や辺境伯の兵に加えて商店街の人々の攻撃も始まります。

 やはりというか、バフォメットは中途半端に召喚された様で、知性が低いようだ。

 死角から攻撃されては攻撃した方を向き、またもや死角から攻撃されている。

 そこに魔法攻撃も組み合わせて、確実にバフォメットを追い詰めていく。


「オラオラオラ! 図体ばかり大きくて、よそ見ばっかりだな。これは喧嘩だぜ。騎士道とは違うぞ!」


 実行委員長の言う通り、これは何でもありの生きるか死ぬかの戦闘です。

 だから、バフォメットを倒すのに卑怯もクソもありません。

 というか、実行委員長は武器を使わずに素手でバフォメットをぶん殴っているけど大丈夫なのかな?


「はい、これで大丈夫ですよ」

「かたじけない。優秀な治癒師がいると、直ぐに戦闘に復帰できる」


 僕はというと、怪我人の治療にあたっています。

 上手く連携して攻撃しているとはいえ、バフォメットは滅茶苦茶に腕を振り回したり魔法を放っています。

 そのために、想定外の所から攻撃を受けて怪我をする人も出てきます。

 僕は怪我した人の治療に専念しています。

 決して、花見祭りで治療役を全くできなかった反動ではないですよ。

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