散歩の百二十一話 見掛け倒しのならず者達

 教会から出てきたならず者は、総勢百人以上。

 単純な数だけなら、僕達よりも多かった。

 数だけなら、です。


「陣形を崩すな。ペアで動け」

「ぐはぁ!」


 聖騎士はツーマンセルで確実にならず者を仕留めていき、着実にならず者の人数を減らしていった。

 聖騎士の偉い人の激も飛んでいて、陣形も乱れていなかった。


「くそ、お前らなら!」

「残念だな。俺等も喧嘩ならお前らには負けないぞ」

「ぐぼっ」


 聖騎士の攻撃から逃れて僕達の方に向かってきたならず者だったが、実行委員長に切りかかった者は逆にキツイボディブローをくらっていた。

 実行委員長にボディブローをくらったならず者は、口から胃液を出しながら気絶した。


「こうなったら、女なら!」

「おりゃー!」

「ゲフッ」


 そして実行委員長の奥さんに襲いかかったならず者は、実行委員長の奥さんのラリアットによって逆に一発で沈んでいった。

 他の実行委員も、ならず者を次々と沈めている。

 というか、皆さん武器を持っているのに素手でならず者をボコボコにしているぞ。


「えーっと、こんなにも商店街の人が強いなんて思いませんでした」

「商店街の人々は猛者揃いだからな。護衛なしで強盗を撃退しているのだよ」

「えー! そうなんですか?」

「ああ、そうだ。彼らにとっては、あの程度の奴なら武器は不要って事なのだろう」


 治療の為に控えている僕に、辺境伯様が驚愕の事実を教えてくれた。

 確かに商店街の人々は筋肉ムキムキだったけど、そんなに強いのかよ。


「ここは通さないぞ」

「暫く眠ってな」

「ギャー!」


 冒険者達も、次々とならず者を倒していく。

 シロとアオもならず者を倒していった。

 というか、兵がならず者を捕縛するのがとても大変そうだ。

 聖騎士もならず者を致命傷まではやっていないので、次々とならず者を捕縛していった。


「よく狙いをつけて魔法を放ってね」

「「「えーい!」」」


 ズドーン、ズドーン。


 スーの指導の元、フランとホルンに加えて実行委員長の娘さんもならず者に向けて魔法を放っていた。

 フランとホルンと実行委員長の娘さんは景気よくならず者を魔法で吹き飛ばしていて、吹き飛ばされたならず者は悲鳴をあげる暇もなく地面を転がっていた。

 地面を転がって泥だらけになったならず者は、白目むいてピクピクとしているけど生きているかな?

 と、こんな感想も出てくる位、ならず者はあっという間に駆逐されていった。

 うーん、ならず者は完全に見かけ倒しだったぞ。

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