散歩の八十四話 皆で薬草採取
今日は、辺境伯領で少なくなっているという薬草採取を皆で行う予定です。
薬草が良く採れる場所は、冒険者のお姉さんが良く知っているんだって。
なので、皆でギルドで受付を済ませていざ出発。
「お姉さん、薬草が採れる場所までは結構歩くの?」
「十分もあれば着くさ。辺境伯領の冒険者は、大体その森で薬草を採るんだ」
「へー、そうなんだ」
シロとアオが、冒険者のお姉さんに話を聞きながら今日のポイントについて聞いているけど、地元の人の行きつけの森があるんだな。
お姉さんの言ったとおりに、歩いて十分で今日の目的地となる森に到着。
南の辺境伯領よりも大きな森で、時季も良いのか沢山の薬草が採れる気がする。
「よーし、始めるぞ!」
「「「おー!」」」
ミケの掛け声を合図に、一斉に薬草を集めていきます。
「お、こっちにいっぱいあるよ!」
「本当ね」
南の辺境伯領の時も沢山の薬草を見つけたシロは、早くも群生地を見つけて薬草を採取していきます。
スーも、シロと一緒になってどんどんと薬草を採っていきます。
「はは、こいつはすげーや」
「いつもよりも沢山採れるね」
「これじゃ、直ぐに籠がいっぱいになるよ」
冒険者のお姉さん達も、普段よりも沢山の薬草が採れてテンションが上がっていきます。
「せい!」
「程よく魔物もでるし、こりゃいいなあ」
格闘家のグループはたまに出てくる魔物も倒していきます。
薬草も沢山採れて、かなり効率が良いみたいです。
そして、開始から二時間後。
「うーん、皆の籠がいっぱいになってしまったぞ」
「仕方ない。一回ギルドに卸してくるか」
参加者全員の籠がいっぱいになってしまったので、一旦ギルドに戻る事に。
流石に籠がないと、アイテムボックスがあってもしょうがないよね。
という事で、一旦皆でギルドに戻って薬草を卸してきます。
「お姉さん、薬草はもっとあっても大丈夫?」
「はい、この倍はあっても構いませんよ」
「よっしゃ、じゃあそのくらい集めるか」
シロがギルドの受付のお姉さんに確認していたけど、薬草不足なのでもっと頑張って欲しいような事を言っていた。
倍なら全然平気と、皆ギルドの売店で追加の籠を買って再びさっきの森に戻ります。
森に戻って皆で薬草採取をしつつ、僕は昼食の準備です。
今日はソーセージドックとスープを作ります。
スープはショーユがあったから、和風のとん汁っぽくしてみよう。
「おお、あんちゃんはやっぱり料理が上手いなあ」
アオと一緒にとん汁風のスープを作っていると、匂いに誘われたのか次々に人が集まってきた。
ちょうどスープのできたタイミングも良いので、お昼ごはんにしよう。
「あれ? その小さなスライムはどうしたんですか?」
「この子? 薬草を採っていたら、いつの間にか側にいたんだよ」
皆んなでご飯を食べていたら、シーフのお姉さんの側にアオよりも小さな緑色のスライムがちょこんといた。
見た目は普通のスライムなんだけど、鑑定をしたらこのスライム風魔法が使えるぞ。
「シーフのお姉さん、このスライム風魔法が使える様ですよ」
「おお、そうかい。魔法が使えるのはありがたいな」
シーフのお姉さんは緑色のスライムをちょんちょんと触っている。
スライムも嫌がっていないから、このまま従魔にできるかも。
「お姉さん、このスライムになんて名前をつけるの?」
「そうだね、葉っぱみたいな色をしているからリーフなんてどうかな?」
「わー、綺麗な名前だね」
スライムの方もお姉さんがつけた名前に喜んでいるのか、ぷよぷよと揺れていた。
こうして新たな戦力も得て、午後の薬草採取も順調に進んでいきます。
とはいえ、午前中もあっという間に薬草を採っているので、午後もその流れは止まらない。
なんと三時前には、午前中の倍の量が採れてしまったのだ。
「はい、薬草採取ご苦労様でした。これだけあれば、当分は持ちそうですわ」
ギルドの受付のお姉さんも満足する量で、勿論買い取り金額も上々。
新たな仲間も入って、皆ホクホク顔でした。
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