千三十一話 レイカと勝負だよ!

 屋敷に戻ったら、応接室で少しまったりします。

 王都に戻る人もいるので、そういう人は送っていきます。

 なれないことをしていたので、みんな少し疲れたみたいですね。

 でも、ちびっ子たちと触れ合って思わずニッコリしていました。

 すると、レイカちゃんが剣技特待生の三人に話しかけた。


「ねーねー、とっても剣が上手なんだよね? レイカと手合わせして!」

「「「えっ?」」」


 ニッコリとしながら小さい女の子に話しかけられたので、バーグさんたちは思わずきょとんとしちゃいました。

 レイカちゃんは、強い人と対戦したい性格なんですね。


「レイカちゃんはジンさんの娘さんで、将来聖剣を受け継ぐかもしれません。今年五歳になるのですけど、僕から見ても中々の剣の腕ですよ」

「「「アレク様が中々と言うなんて……」」」


 あらら、僕が説明したらただの子どもではないと理解しちゃったみたいです。

 念の為に、僕とプリンも四人についていくことにしました。

 他の面々も、応接室の窓から成り行きを見守っています。

 ちなみに、木剣が折れると危ないので、四人とも強化して硬くした木剣を利用します。


「いくよー!」


 レイカちゃんは、自分がいつも使っている背中に背負った剣と大体同じ長さの木剣を手にしています。

 対するバーグさんは、こちらも普段使っている剣と同じ長さの木剣を手にしています。

 お互いに木剣を構えたところで、レイカちゃんが勢いよくバーグさんに切り込んで行きました。


「えい!」

「うおっ!」


 レイカちゃんが身体能力強化を使っていたとはいえ、流石にバーグさんは驚きながらも鋭い剣劇を防いでいた。

 その後はレイカちゃんがバーグさんに攻撃することが増えたけど、レイカちゃんの攻撃がまだまだ単調ってのもあってかバーグさんも余裕をもって受け止めていた。

 こうして、五分間の手合わせは無事に終了しました。

 更に元気いっぱいなレイカちゃんは、ポップさんとガンツさんとも手合わせを行いました。


「うー、悔しー!」

「「「ははは……」」」


 流石は年長者というか剣技特待生というか、結果的に三人ともレイカちゃんとの手合わせで負ける事はありませんでした。

 とはいえ、身体能力強化をしたレイカちゃんの剣劇は中々脅威だったらしく、相当悔しがっているレイカちゃんのことを凄いと思っていました。


「「「お兄ちゃん、すごーい!」」」

「うー」


 すると、僕たちが応接室に戻るとちびっ子たちが大はしゃぎしていました。

 ちびっ子たちにしてみれば、レイカちゃんの剣技は一歩先にいっているからね。

 その分、バーグさんたちを凄いと思っちゃったみたいだけど。

 勝てなかったレイカちゃんはちょっといじけちゃって、リズたちに慰められていたけど。


「私からみても、中々の剣の腕だったわ。これからも、精進を続けてね」

「「「はい!」」」


 ティナおばあ様から見ても、三人の剣の腕前は良かったみたい。

 憧れの華の騎士様に褒められて、バーグさんたちもかなり上機嫌だった。

 こうして、みんなでのんびりお喋りなどをして午後の時間は終了しました。

 ちびっ子たちのお昼寝の時間になったのも大きかったけどね。


「また、一緒にお喋りしようね!」


 リズは、クラスメイトになる人たちともっと仲良くなりたいみたいですね。

 でも、既にお友達になったんだし、きっと大丈夫だと思います。

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