転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

千二十九話 みんなで冒険者ギルドへ

　昼食の後はみんなで冒険者活動をするのだけど、ここでちょっとした問題が。

　というのも、サキさんたちは動きやすい服装をしているのだけど、レシステンシアさんたちは貴族らしい服装をしています。

　このままだと薬草で汚してしまうので、一旦屋敷に戻って着替えることになりました。

　なので、僕とスラちゃん、そしてポッキーで手分けしてみんなを屋敷に送り届けました。

　その間に、僕たちも冒険者服に着替えます。

　エレノアは自分の部屋があるので、そこで着替えていました。

　そして、ティナおばあさまはこのまま残るけどアリア様とルカちゃんたちは王城に戻って行きました。

　ティナおばあさまの部屋もあるので、直ぐに着替えることもできます。

　こうして、三十分かけて全員の着替えが完了しました。

「「「一緒にいくよー！」」」

「「「ブルル！」」」

　ミカエルたちも着替えを済ませていて、庭にはいつの間にかポニさんたちもスタンバイしていました。

　ポニさんたちがいれば、戦力としてかなり上がりますね。

　ドラちゃんも昼食を食べて元気になったので、みんなで最初に冒険者ギルドに向かいます。

「あら、リズちゃんじゃない。今日は新しいお友達がたくさんね」

「来年入園する学園のクラスメイトだよ！」

「そうかい、そうかい。いよいよ、リズちゃんも学園に入るのね」

　商店街のおばちゃんも、僕たちが大きくなったと改めて実感したみたいですね。

　そんな商店街の人々の反応に、レシステンシアさんは驚いていました。

「皆さん、リズ様に普通に話しかけていますわ」

「リズがちっちゃい頃から、商店街の人とは仲良しなんだ。ルーカスお兄ちゃんとかとも、普通に話をするよ」

「な、何だかにわかには信じられませんわ……」

　貴族令嬢でもあるレシステンシアさんは、住民が貴族に対して気軽に話しかけてくる環境が信じられないそうです。

　前にも似たような質問を受けたことがあるけど、辺境伯領だという環境がある意味大きいのかも。

　その後も町の人に色々と声をかけられていたけど、みんなにこやかに対応していたので他の人たちも落ち着きを取り戻していました。

　そして、冒険者ギルドに着くと今度は多くの冒険者が話しかけてきました。

「おっ、アレクとリズか。はは、またゾロゾロと連れてきたな」

「今度学園に入園する時のクラスメイトだよ。リズも来年学園に通うんだ！」

「そっか、お前らもそんな歳になったのか。感慨深いな」

「昔は小さい体でちょろちょろと走り回っていたのに、いつの間にか大きくなったな」

　冒険者も町の人と同様に、僕たちが大きくなったと実感していた。

　僕たちにとっても冒険者ギルドはいつもいた特別な場所なので、そういえば視線が高くなったなと感じました。

　早速手続きを済ませて、みんなで森に向かいます。

　暇な冒険者も一緒についてくるそうです。

「小さい時から、この二人は規格外だったぞ。バッサバッサとゴブリンを倒していたな」

「リズが大暴れして、アレクが止めるってパターンだな」

「あと、やっぱりアレクは昔から頭が良かったぞ。冒険者登録する時も、普通に文字を書いていたからな」

　森に向かいながら冒険者がみんなに僕とリズのことを話していたけど、またもや度肝を抜かれるような話でした。

　特に、僕が四歳で文字を書いていたことに驚かれていました。

　あの時は生きるか死ぬかの問題だったからそこまで考える余裕はなかったけど、前世の知識があったとはいえ異常なことだったんだよね。

　ちなみに、リズはどんな薬草が採れるかとかをウキウキしながら話していました。

　待ち遠しくてたまらないみたいですね。