千二十六話 学園見学

 説明も終わったので、荷物を持って移動を始めます。

 ここからは、学園見学です。

 僕とリズはだいぶ前にエマさんとオリビアさんの学園見学についていったけど、いつもは体育館と校舎しか見ないから他の施設を見るのは新鮮です。

 先ず、校舎の中を案内してくれることになりました。

 ちょうど休み時間なので、多くの学園生が廊下を歩いていました。

 ちょっとだけ、教室の中を見せて貰います。


「ここが、皆さんも勉強することになる教室です。席順は先生によって決め方が違いますが、だいたいクジが多いですね」


 だいたい三十人くらいがいる教室で、男女比もだいたい半分です。

 運任せだと、席順はどうしようもないですね。

 続いてやってきたのが、特別授業を行う教室です。

 魔法に関することもあって、リズたちも興味津々です。

 そして、ある意味お待ちかねの大食堂です。


「こちらは、殆どの学園生が一度に座ることができます。お弁当を持ってくる人もいますが、定食も美味しので利用する人も多いです」


 今は仕込みの最中なのか、厨房からとても美味しそうな匂いがしてきた。

 きっと美味しい料理を作っているんだなと、想像をかき立てられますね。

 では、次の場所に行くために、校舎から外に出ます。


「こちらが、魔法の授業をするための施設です。何重にも魔法障壁が展開されておりますが、無茶な魔法は放たないで下さい」

「「はーい」」


 元気よく手を挙げているリズとエレノアに、先生がやり過ぎないようにと注意したんだと思うけどなあ。

 因みに、この魔法授業で使用する施設は、僕たちが入園するまでに更にパワーアップするそうです。

 というのも、一度アイビー様の雷魔法を受けて殆どの魔法障壁が吹き飛んだことがあるそうです。

 続いて、剣技の授業を行う闘技場みたいなところに移動します。

 すると、次の授業に備えるルーカスお兄様たちの姿がありました。

 全員簡易騎士服みたいな動きやすい服を着ています。


「こちらが、剣技の授業を行う場所になります。木剣を使用しますが、こちらは学園のものを使用します」


 そういえば、入園試験の時にぽっちゃり君が改造木剣を使うという不正を行ったっけ。

 僕たちも、無理のない範囲で剣技の授業を受けることになります。


「なお、学年を混ぜての剣技の大会がありますが、アレクさんとリズさんは参加禁止が言い渡されております」

「がーん……」


 リズは思わず膝をつくほどショックを受けていたけど、他の人たちは当然だという表情をしていました。

 授業準備をしていたルーカスお兄様とアイビー様も、こればっかりはしかたないねと思っているでしょう。

 リズは、もう少し手加減できるようにならないとね。

 そして、新たな施設に向かいます。

 そこは、小さな畑でした。


「ここは特別授業の一環で使用する畑です。実際にどうやって植物が育って食べることができるのか、という授業で使用します」


 こんなことまで勉強するのかと、多くの人が驚いていました。

 食育をするのは、とても重要なことですよ。

 こうして、他にも幾つかの場所を回って再び体育館に戻りました。

 ここからは、制服と運動で使う服のサイズ合わせをします。

 男女別に更衣室に移動して試着します。


「お兄ちゃん、着替えるの手伝って」

「やらないよ。他の人もいるし、リズも一人で着替えてね」

「えー!」


 リズだけでなくエレノアもブーブー言っているけど、こればっかりは譲れません。

 幸いサンディとメアリがいるのだから、制服の着方を教えて貰いましょう。

 そんなに制服を着るのは難しくないはずだよ。

 こうして制服のサイズ合わせが終わったところで、今日の説明会は終了です。

 全員もう一度席に座ります。


「これで、本日の説明会は終了です。何か分からないことがあったら、遠慮なく学園に問い合わせして下さい。それでは、入園式に皆さんとまた会えることを楽しみにしています」

「「「ありがとうございました」」」


 先生の終わりの挨拶も無事に終了し、一気にガヤガヤと賑やかになりました。

 リズとエレノアは、さっそくクラスメイトと談笑していますね。

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