九百九十七話 筆記試験
そんな中、やはりというか数人カンニングっぽいことをしようとしている人がいました。
しかも、全員色々と文句を言っている貴族の子どもだった。
対して、リズやエレノアたちはもちろんのこと、普通の子はキチンと準備をしています。
何人か筆記用具を忘れちゃったと涙目の子がいたけど、貸し出しもしているので大丈夫です。
そして、念の為にゲストも呼び寄せました。
「それでは、これから試験を始めます。試験時間は一時間で、何かありましたら挙手にてお願いします。不正行為などのカンニングなどが見つかりましたら、特別対応を取らせて頂きます」
先生が試験の注意事項を伝えました。
カンニング時の特別対応と言いつつ、普通に試験は受けさせてあげます。
ただし、特殊な監視下に入ります。
「それでは、試験開始して下さい」
先生の合図により、一斉に問題用紙を解き始めました。
そして、いきなりカンニングを始めた人がいた。
試験開始前に机に予想解答を書き込んでいるもの、そしてチラチラと腕などに書かれた解答を見ているものです。
ということで、さっそく五名特別対応を行います。
スラちゃん、そして特別ゲストのポッキーが動き始めました。
こっそりと、その子の席に移動して、触手をフリフリしました。
「えっと、これはこれで……えっ?」
「カンニング行為確認しました」
合図で、巡回していた兵がやってきました。
その場で僕が生活魔法で机や体に書かれた解答を消して、尚且つ兵によって体育館の端に移動させられます。
そして、目の前に兵がついて監視下のもとで試験を受けさせます。
もちろん、問題用紙と解答用紙は没収で、最初から解答させますり
しかも、番号も確認して背後関係も調べます。
更に、怪我と見せかけて包帯を巻いてその下に解答を書いている人もいました。
男性が多かったけど、女性もいたのでスラちゃんとレイナさんが確認していました。
解答を手信号で教えあっている人もいたけど、そんなことをする努力をするなら普通に勉強した方が良いと思います。
この辺は、空飛ぶスライムのスラちゃんとゲストのアマリリスが上から監視していました。
「終わったよー!」
「終わった……」
「私も終わりました」
そんな中、五十分も経つとどんどんと終わって解答用紙を回収しに行く人も現れました。
リズたちも早めに終わったみたいだけど、エレノアが若干燃え尽きていますね。
問題云々よりも、やっぱり動きにくいドレスで試験を受けたのが原因みたいです。
他の人たちも、ラストスパートをかけていますね。
「そこまで。筆記用具を置いて、手を膝の上に乗せて下さい。これ以降書こうとすると、カンニングとみなします」
そして時間となり、どんどんと解答用紙が回収されていきます。
殆どの人は、頑張った反動からなのか疲れ切っていますね。
「「「終わった……」」」
そして、カンニングをした面々は別の意味で終わっていました。
もちろんカンニングしないと問題が解けないレベルなので、散々な結果みたいです。
とはいえ、完全に自業自得だし失格にならないだけ良いと思いますよ。
「それでは、これから三十分間の休憩を取ります。休憩はこの体育館の中で取ってください。その後、一斉に校庭に移動します。なお、着替えをする方は体育館の更衣室を利用して下さい」
「はあ、やっと着替えられるの……」
お姫様衣装から着替えられるとあってか、エレノアの表情がようやく緩んでいた。
リズたちも着替えるので、一緒に更衣室に向かっていった。
そしてカンニングした面々は未だに燃え尽きているけど、どうも実技試験もダメダメっぽそうだ。
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