九百六十六話 今日はサーゲロイド辺境伯領へ
今日は、サーゲロイド辺境伯領に向かいます。
サーゲロイド辺境伯領は、山がちでたくさん良い材木が取れるんだって。
職人の作業スピードの問題もあるので、衛星都市建設用の木材はいったんここでストップします。
「じゃあ、お兄ちゃん買い物に行ってくるね!」
「「「プリン! プリン!」」」
そして、木材の搬出が終わると、リズたちはミカエルたちと一緒に町に繰り出してしまった。
もちろん、護衛兼お守りとしてジンさんたちもついています。
特にミカエルたちは、このサーゲロイド辺境伯領の食材を使ったプリンが大好きだもんなあ。
レイナさんたちも、張り切ってミカエルたちと一緒に着いていきました。
「すみません、一瞬でいなくなってしまって……」
「ほほほ、子どもは元気が一番じゃ。それに、このサーゲロイド辺境伯領の食材を使ったプリンが絶品だと、エレノア殿下が王城で自慢をしておった。そのおかげで、食材を買い求める商人も増えておるぞ」
今日もおヒゲが立派なサーゲロイド辺境伯様と話をしているけど、まさか僕の作ったプリンが大きな宣伝効果を発揮していたとは。
確かに、エレノアに限らずルーカスお兄様もルーシーお姉様も不味いものははっきり言うもんなあ。
そして、殿下も大絶賛となるととても宣伝効果が大きいだろうね。
更に、別の宣伝効果もありました。
「更に、国境の町で双翼の天使様が聖女様を治療したのもあってか、敬虔な教会の信者が聖地として訪れておる。双翼の天使様だけでなく、殿下も救国の勇者様も活躍されたのもあるじゃろう」
これも、事実なので否定のしようがありません。
特にジンさんがカレン様の治療を的確に指導したのもあってか、救国の勇者様の二つ名がついた現場でもあるんだよね。
ポニさんたちも大活躍したっけ。
「おかげさまで、このサーゲロイド辺境伯領を訪れる人もとても多くなった。辺鄙な土地じゃが、大変ありがたいことだ。ここでも、都市拡張計画を進めておるぞ」
「そういえば、あちらこちらで作業をしていましたね」
「ここは冬の間は雪が降るから、春先から工事を始めておる。まあ、詳しいことは息子と孫に任せておるぞ」
まさか、こんな形でサーゲロイド辺境伯領の発展に寄与したとは思ってもみなかったなあ。
人の縁って、何が起こるか分からないですね。
すると、サーゲロイド辺境伯様がちょっと笑いながらこんな事を言ってきました。
「くくく、双翼の天使様が大量の木材を一瞬で運んでしまったとなると、またしても凄い人だと広まるでしょうな」
「えっ、僕としては単純にアイテムボックスに木材をしまって、ゲートで王都に運んだだけですよ」
「空間魔法の使い手がとても貴重だというのもあるぞ。明日には、町中に噂が広まっているじゃろう」
良い噂だけど、色々広まるのはチョットなあって思っちゃった。
すると、今度は別の噂が広がるのを確信してしまった。
「ただいま! いっぱい買ってきたよ。ついでに教会の施設に入院している人がいたから、全員治療してきたよ!」
「「いっぱい治療した!」」
「おお、これは明日にでも冒険者ギルドに依頼を出そうとしていた件じゃのう。流石は、双翼の天使様に勇敢なる天使様じゃ」
たまたま町に来ていたみんなが颯爽と入院患者を治療したとあってか、サーゲロイド辺境伯様も機嫌よく笑っていました。
何もださないよりかはと、ご褒美で美味しい昼食を頂きました。
みんなは、まだまだお金よりも美味しい料理が嬉しいみたいですね。
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