九百二十一話 みんなワイワイの五歳の祝いのパーティー
みんなで料理をテーブルに並べていると、段々と賑やかな声が近づいてきました。
どうやら教会での礼拝が終わって、辺境伯家に近づいてきているみたいですね。
料理も大体並べ終わったし、こっちも準備万端です。
「「「わあ、美味しそう!」」」
屋敷の庭に入ってきた町の五歳の子どもは、美味しそうな匂いのする料理に釘付けになっています。
そして、待ちきれない様子で席に座りました。
「ねえ、食べていい? 食べていい?」
「もう少しだけ待ってね」
「「「えー」」」
食いしん坊な男の子だけでなく、他の子どもも不満の声をあげていた。
待たせては駄目だと、辺境伯様も苦笑しながら飲み物を手に取った。
子ども達へも、ジュースが入ったグラスが配られました。
「ごほん、待たせてはいけないので簡単に挨拶をする。これだけの子どもが五歳に成長したことを嬉しく思う。今まで無事に成長したことを、両親に感謝しよう。そして、これからも大きく成長する事を期待する。では、乾杯をする。乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
元気の良い声と共に、子ども達は一斉に料理を食べ始めました。
美味しい美味しいと笑顔で食べる子ども達を見て、辺境伯様もイザベラ様も釣られて笑顔になっています。
子ども達の親も一緒に料理を食べていて、こちらも良い笑顔になっています。
因みに、侍従のお姉さんも今日は配膳などをせずに、メイちゃんリラちゃんと一緒に食事をしています。
最初は手伝うと言ったのですが、ジュリさんなどの他の侍従が頑として拒否しました。
今日は、五歳の子どもの母親が優先だということですね。
「もぐもぐもぐ、美味しいね」
「美味しい!」
「うん!」
ミカエル達も、席に座って大人しく食事をしています。
エリちゃんたち三人の一歳児も、ジンさん、ティナおばあさま、近衛騎士と一緒に美味しそうに食べています。
エリちゃんたちは小さいのに食欲旺盛なので、もりもりと食べていますね。
「はい、ジュースのお代わりだよ」
「こっちにもあるの」
「グルル」
メイド服を着たリズ達に混じって、ドラちゃんもジュースを子ども達に配っています。
ドラちゃんは冒険者活動や炊き出し時によく顔を出しているので、子どもや親とも顔見知りです。
炊き出し時に一緒に遊んでいることもあるので、子ども達にも大人気です。
何気に、クモさんも一緒にジュースとかを運んでいます。
スラちゃんも、お得意の飛行魔法で飛びながらジュースを配っています。
こうして、みんなで力を合わせて無事に五歳の祝いも終了しました。
パーティーに参加した子どもたちは、とても満足そうな表情で帰っていきました。
「来年は五歳になる子がたくさんいるから、もっと賑やかになるわね」
「「「たのしみー!」」」
ティナおばあさまの言う通り、ルカちゃんエドちゃんに辺境伯家の双子ちゃん、更にはレイカちゃんたちも五歳になります。
間違いなく、お祝いする方もされる方も凄いことになりそうですね。
何はともあれ、とてもおめでたいことなのでこういう行事は長く続いて欲しいですね。
「グカー、グカー」
給仕役で疲れたのか、ドラちゃんはいつもの庭のポジションで野良猫とともにお昼寝をしていました。
今日はとても頑張ったので、ゆっくりと寝かせてあげましょう。
でも、ミカエルたちが庭ではしゃいでいるので、ゆっくり寝られるかどうかは微妙ですね。
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