八百八十二話 保育部屋の進捗と最初に調査に向かうところ
そして、今日もお仕事をしつつとあるところに向かいました。
それは、王城の一階にある例の施設です。
「行くよ!」
「「「キャーキャー!」」」
たたたっ。
保育部屋が一部先行稼働し始め、早くも一部の職員の子どもを預かり始めました。
初めての場所と人でおどおどとしていた子ども達も、あっという間に打ち解けて追いかけっこをしています。
因みに、今日は王城の侍従に加えて子どものお世話が大得意なルシアさんも、ミカエル達ちびっ子軍団を引きつれてやってきました。
この保育部屋は、遊びの時間に加えてお勉強の時間にお歌の時間もあります。
お歌の時間は、この国に昔からある歌謡曲をみんなで歌うそうです。
「うん、良い感じだわ」
「そうですわね。子どもたちが楽しそうですわ」
僕と一緒に様子を見に来た王妃様とアリア様も満足そうに頷いていて、エリちゃんもちびっ子に混じって元気よく走っていました。
因みに、大きいねこちゃんを怖がるかなと思ったら、子どもたちは抱きついたりしていて大人気でした。
ねこちゃんが、とても大人しいってのもありそうです。
昼食も出て、仕事が遅くなっても対応できる柔軟さがあります。
これなら、職員も安心して子どもを預けられますね。
ととと、ぽすっ。
「まー!」
「はいはい、どうしたのかしら?」
ここで、みんなと追いかけっこをしていたエリちゃんが、お母さんのアリア様に抱きついてきました。
エリちゃんが話す言葉もちょっとずつ増えてきたけど、何かあったのかな?
すると、アリア様は直ぐにエリちゃんの意図に気が付きました。
「あら、みんなと遊んで楽しかったのね」
「あう!」
エリちゃんはニコニコ顔で両手をあげていたけど、一緒にいた子どもたちと仲良く遊んで盛り上がったんだね。
そしてエリちゃんは、またもや子どもたちのところに走って行きました。
暫くは、楽しい時間が続きそうですね。
では、僕は宰相執務室に戻りましょう。
「お帰りなさいませ。保育部屋は如何でしたか?」
「とっても良い感じでした。子どもたちもとても楽しそうにしていて、今のところ問題はなさそうです」
「それは良かったです。多くの方が利用予定ですからね」
出迎えてくれたローリーさんも、保育部屋が充実してホッとしていました。
もしかしたら、ローリーさんも近いうちに利用することになるかもね。
さてさて、僕はこれから調査を行う部署の情報を集めてみましょう。
えーっと、何々?
「総務課、俺の意見を反映させない。クズな上司だ」
「総務課、使い物にならない上司だ。俺が上司になる」
「総務課、ババアがうるさい」
「総務課、何故女の力が強いのか」
えーっと、これは間違いなくあの暴走した職員が書いた件ですね。
意見というよりも、ただ文句を言っているだけにしか聞こえません。
確かに、このレベルの話だと上司が意見を潰すのも納得できます。
「宰相、これは逆にあの四人がしっかりと仕事をしているか見に行くチャンスですね」
「うむ、そうだな。ちょうど私も内務卿と会うことになっているから、一緒に観にいこう」
こうして、最初の確認先は総務課で決定しました。
これは、普通に上司は問題ないパターンだと思います。
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