八百三十七話 学園の警備内容が決定しました
昼食後、予定通りにみんなで学園に向かうと、既に応接室にジンさんの姿があった。
「ジンさん、お待たせしました」
「問題ないぞ。こっちも、レイナが早く行けってうるさかったんだ」
ジンさんが苦笑しながらお茶を飲んでいたけど、軍は軍で大変だったんですね。
役者が揃ったので、さっそく打ち合わせを始めます。
まず、卒園式の話から始まりました。
話を切り出したのはジンさんです。
「卒園式も、入園式と同等レベルの警備を敷いた方がいい。それで何もなければ良いわけだし、何かあった時に後悔するよりもずっといい」
「ジンも、ちゃんと考える様になったのね」
「ティナ様、そんなにしみじみと言わなくても……」
うんうんと深く頷くティナおばあさまの事をジンさんがジト目で見ているけど、確かに卒園式も警備を厳重にした方が良い。
ジンさんの言う通り、やるだけの事をやってみよう。
「では、入園式の警備の予行演習の意味合いも兼ねて、軍を投入しましょう」
「生徒会も、その意見に同意する。警備は厳重に行った方が良いでしょう」
「確かにその通りですな。では、学園側も警備を厳重としましょう」
卒園式に関する話はこれで終了し、後は担当者で詰める事になります。
今度は、ルーシーお姉様が対象となる入園式の件です。
これも、最初はジンさんが話し始めました。
「ルーカスの時と同じ警備体制を参考にしよう。俺もレイナたちも、体育館の中に入って警備をする。体育館の外や学園の周辺も、警備をさせた方が良いな」
「本当にちゃんとした意見をいう様になったわね。ジンの成長がとっても嬉しいわ」
「だからティナ様、そんな演技をしなくても良いですよ」
「「「あはは……」」」
ティナおばあさまはハンカチで涙を拭くふりをしていて、僕もルーカスお兄様も、もちろんルーシーお姉様も苦笑するしかなかった。
とはいえルーカスお兄様の入園式時の警備記録が残っているので、それを元にアップデートした警備体制を敷く事にしよう。
「後は、従魔の力も借りましょう。特にポッキー達の力は、大きな力になると思います」
「この際だから、使えるものは何でも使おう。アイビーのアマリリスも、体育館を巡回させよう」
「ぴーちゃんも、学園の空を巡回して貰いましょう。上空からの攻撃も想定しないと」
こうして、ルーカスお兄様とルーシーお姉様からも活発な意見が出て来て、ティナおばあさまも満足そうに頷いていました。
うちにいる飛竜の子どもは、うーん、まだ実戦投入するには実力不足なんだよなあ。
念の為に、屋敷に帰って飛竜の子どもの実力を見てみて、うん、プリンがまだ駄目だってふりふりしていた。
残念だけど、この案は却下ですね。
こうして話し合いを進めていき、大体の警備案が決定しました。
因みに、従魔投入は卒園式から行う事に決定しました。
「俺も、一旦王城に行って報告してから軍の施設に戻るわ」
という事で、ジンさんも一緒に王城に戻って陛下に色々と報告する事に。
ちょうど会議室に閣僚も集まっているので、纏めて報告する事になった。
でも、途中からティナおばあさまが皆を褒める事に。
「ルーカスもルーシーも、自分から積極的に意見を言っていてとても良かったわ。ジンも副宰相としての自覚が出ていたわね」
「あの、俺は至極当然な意見を言っただけなんですけど……」
「現場責任者はジンに任せても良いわね。卒園式から行いましょう」
「ティナ様、話を聞いて下さい!」
「「「あはは……」」」
ティナおばあさまは、ジンさんの事を無視して色々と話をしていました。
そしてジンさんは、しょぼーんとしながら軍務卿と共に軍の施設に向かって行きました。
因みに、夜スラちゃんとかに飛竜の子どもの実力を聞いても答えはプリンと同じくまだ駄目だという事でした。
飛竜の子どもへの特訓をもっと強化しないと駄目だと、スラちゃんとプリンが密かに気合を入れていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます