八百三十四話 治療開始!
安息日の今日は、王都の治療院に入院している人を治療します。
久々の依頼とあって、ちびっ子軍団は朝からとってもテンション高めです。
「「「早く行こうよ!」」」
「ちょっと待っていてね。今日は、辺境伯家の双子ちゃんも一緒だよ」
「「「はーやーくー!」」」
既に我が家に来ているレイカちゃん達は、王都に行くのが待ち切れないみたいですね。
因みに、治療院で危なくないとの判断でジンさん達は一日お休みだそうです。
双子ちゃんとつきそいのルシアさんも合流したので、王城にゲートを繋いで向かいます。
すると、王城でも同じ事が待っていました。
「「おそいよー!」」
王城では、ルカちゃんとエドちゃんが今か今かと待っていました。
二人とも、少し久々の冒険者活動が待ち切れないみたいですね。
久々に冒険者活動をするルーカスお兄様も、元気いっぱいな弟をなだめるのに精一杯です。
アイビー様、ルーシーお姉様、エレノアも参加するけど、流石にエリちゃんはお留守番です。
因みに、やっぱり大人陣はお休みで近衛騎士が護衛に着きました。
準備が整ったところで、大教会にゲートを繋いで向かいました。
「「「おはよーございます!」」」
「うむ、おはよう。元気いっぱいじゃのう」
大教会の中に入ると、元気いっぱいのちびっ子軍団が出迎えてくれた司教様に挨拶をしています。
司教様は、ニコリとしながらちびっ子達の頭を撫でていますね。
しかし、今日は治療がメインなんだけど、回復魔法が使えるのは僕、リズ、スラちゃんに、エレノア、アイビー様、ミカエル、ブリットです。
ルカちゃんとエドちゃんも回復魔法は使えるけど、他の人は回復魔法が使えません。
なので、今日は手分けして作業します。
治療班は治療院に向かって、それ以外の人は教会前で行っている炊き出しの手伝いをします。
「じゃあ、こっちは任せてね。アレク君達も、気をつけてね」
「「「頑張るぞ!」」」
という事で、炊き出し班はルシアさんが引率してくれる事になりました。
近衛騎士やポッキー達もついているし、何かあっても大丈夫でしょう。
僕たちも、シスターさんに先導してもらいながら教会横にある治療院に入りました。
「わあ、沢山の人がいるよ」
「王都は人口も多いので、常に沢山の入院患者がいるのです。症状も、病気から怪我まで様々です」
大部屋は、入院患者でビッシリと埋まっていました。
王都は辺境伯領よりもずっと人口が多いから、治療院自体も大きい。
それでも、ベッドが埋まっているのか。
でも、今日は沢山の治療の手があります。
僕達は、さっそく入院患者の治療に入りました。
シュイーン、ぴかー!
「どうかな? 痛いのは良くなった?」
「おお、凄いぞ。胸の痛みが全く無くなったぞ!」
合体魔法を使うほどの人はいないので、重症者は僕とリズで治療していきます。
リズの回復魔法は相変わらず凄くて、あっという間に重症者を治していきます。
そして、今日はこの二人も頑張っています。
ぴかー!
「どう? 痛いの取れた?」
「ええ、良くなったわよ。ありがとうね」
「えへへ!」
ルカちゃんとエドちゃんも、頑張って治療しています。
治療が上手くいって、褒められるのがとても嬉しいみたいですね。
因みにルカちゃんとエドちゃんはまだ軽症者までしか対応できないけど、保有している魔力量がとても多いのでガンガン治療しています。
スラちゃんが二人の指導役としてついているので、治療漏れもありません。
こうして、僅か十分で一つ目の大部屋に入院している人の治療を終えました。
「では、次の大部屋に行きましょう。今日は回復魔法が使える人が沢山いますので、どんどんと治療できますよ」
「本当にありがたい事です。双翼の天使様に勇敢な天使様もいらっしゃいますし、王族の方もとても丁寧に治療して下さいます。入院している方も、皆笑顔になっておりますわ」
僕達は治療するのに慣れているので、たまに話しながら治療を行います。
シスターさん曰く、僕たちが笑顔で対応してくれるのがとてもありがたいそうです。
それは、こんな場面でも発揮されました。
「坊っちゃんよ、俺みたいな厳つい奴でも平気なのか?」
「えっ? 何も問題ないよ」
「全然平気だよ!」
「そ、そうか。それはありがたいな」
厳つい上に顔に傷のある冒険者が相手でも、ルカちゃんとエドちゃんは全く気にしません。
小さい子にそう言われて、冒険者も思わず嬉しくなっています。
「おとーさまを怒っているおかーさまの方が、何倍も怖いよ!」
「そうだよ! だから、全然平気だよ」
「ははは、そりゃそうだな。うちもかーちゃんは怒ると怖いぞ」
「「だよねー」」
あの、ルカちゃんとエドちゃん、それは言っちゃ駄目な発言では。
冒険者も同意して笑い合っているけど、後で絶対に王子様とアリア様に怒られるよ。
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