七百五十話 早くも次のお仕事の予定
ブランデー子爵領への調査チームが決まるまでは、僕たちも特にやる事はアリません。
しかし、この人達は物凄くやる気になっていました。
「ふふふ、お宝探しならリズの出番だよ!
リズが何でも見つけちゃうよ!」
「エレノアも、何でも見つけるの。どこに隠しても無駄なの!」
まずは屋敷の捜索がかなり高い確率であるので、リズとエレノアがやる気を見せています。
メアリとサンディとイヨはたははって感じでリズとエレノアを見ているけど、実際の屋敷での捜索になったら三人とも大活躍するだろうなあ。
お留守番のプリンも、やる気満々だと僕にアピールしていました。
「ふふふ、日頃の子育てのストレス発散にちょうどよいですわね」
「ええ、そうですわね。エリンもある程度落ち着きましたし、私も是非とも参加したいですわ」
「あう?」
王妃様とアリア様も、執務室に来てやる気満々をアピールしていました。
お二人は、どちらかというと争いになった時に動くという事らしいです。
うん、戦いでストレス発散をする王妃様とアリア様。
とっても明確なイメージが湧いてきました。
護衛でついてきたランカーさんも、二人の話を聞いて思わず苦笑いです。
もちろん、赤ちゃんのエリちゃんだけは何が何だか分からないみたいですね。
僕も苦笑していたら、王妃様が僕に話しかけてきました。
「そうそう、アレク君にお仕事の話があるのよ」
「僕に、ですか?」
「そうなのよ。二つともアレク君担当で問題ないものよ」
なんだろうなと思いつつ、僕は話を聞く事に。
他の人も、僕と王妃様の方を向いて興味を示しています。
「一つ目は、もうすぐ行われる新入生の学園見学よ。ルーシーも参加するし、学園の話だからまさにアレク君にぴったりのお仕事よ」
「あっ、その件でしたら学園の先生とも話を進めています。例年と変わらない内容で行なう予定です」
「ええ、それでいいのだけど、少し対応しないとならない事があるのよ。よりによって、あのブランデー子爵の子どもがルーシーと同級生なのよ」
うわあ、いきなり面倒くさい事になったぞ。
まだ新入生の一覧を見せて貰っていないけど、ブランデー子爵の子どもがいるなら最大限の警戒をしないといけない。
そもそも王妃様の妊娠発覚に伴って各貴族が妊活に励んだ結果、ルーシーお姉様の同級生がとても多いのだ。
既にルーシーお姉様にはジェットさんという婚約者がいるし、妊活に励んだ貴族の目論見は崩れてしまっているけどね。
「そして、二つ目が五歳の祝いね。これは今後の事もあるし、もう少し先になるわ。ミカエルとブリットも対象になるわけだし、アレク君も張り切りそうね」
「はい、ミカエルとブリットの事も含めてですけど、盛大に祝って上げたいです」
「ええ、是非そうしてね。今の所、五歳の祝いの件では何も問題ないわ」
二つ目の件は、僕にとっても気合の入るお仕事です。
リズ達もプリンも、五歳の祝いの話を聞いてふんすってやる気になっています。
今この場にいない人も、きっとやる気を見せてくれるでしょう。
「話はこれでおしまいよ。取り急ぎは、学園見学の警備ね。ブランデー子爵夫妻のどちらかが来るのは間違いないし、もしかしたら何か情報が分かるかもね」
僕も、学園見学で何かあるのではないかと思っています。
いずれにせよ、明日行われる学園との打ち合わせで何か分かるかもね。
「お兄ちゃん、チェック終わったよ」
「リズ、ありがとう。じゃあ、通信用魔導具で読み取って内務卿に連絡するね」
「ありがとうね。じゃあ、お菓子食べて少し休憩しよっと」
リズ達は、王都冒険者ギルドで集めた情報の詳細整理が終わったみたいです。
僕に資料を渡して、王妃様とアリア様とエリちゃんのいる応接セットの所に向かいました。
きっとエリちゃんと遊びながらお菓子を食べる予定だね。
僕もリズから受け取った資料の対応が終わったら、少し休憩しよっと。
あっ、でもその前にっと。
どーん。
「宰相、サインをお願いします」
「アレク君は、本当に勤勉だのう……」
僕は、宰相のテーブルの上にチェックを終えた沢山の資料を乗せました。
宰相は、思わずとほほって思いながらサインを始めました。
さてさて、僕ももう一息ですね。
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