六百九十二話 特別調査チーム結成

 会議も終わったので、皆でいつもの勉強部屋に向かいます。

 リズ達に、これからの事を話さないといけないもんね。


 ガチャ。


「ジョディー……」

「マテオ様……」

「「「おおー! かっこいい!」」」


 うん、何が起きているんだ?

 ミカエルとブリットが、今朝のマテオ君とジョディーちゃんの一幕を再現しているぞ。

 中々の演技に、特にルカちゃんとエドちゃんはかなり大興奮していた。

 でもラブラブなシーンでかっこいいって言っている辺りは、まだまだ小さな子どもだね。


「は、はう……」

「このくらいは大丈夫よ。微笑ましいって感じね」

「そうそう、全然平気よ」


 一方で、顔を真っ赤にして俯いているジョディーちゃんの事を、アイビー様とルーシーお姉様が慰めていた。

 二人とも、流石は年長者って感じですね。


「ほらほら、これから大事なお話があるからちゃんと聞こうね」

「「「はーい」」」

「くすくす」


 僕が皆に話しかけたら、ミカエル達も元気良く手を上げていた。

 そんな様子を見たジョディーちゃんが少し笑っていたので、気持ちは切り替えられた様です。


「これからだけど、悪い人が軍や各部署にいないかを探す特別チームを作る事になったの。僕は他にも仕事があるから、実際に各部署を動いて貰うのはリズ達になるんだ」

「任せて! リズが悪い人を見つけるよ!」

「エレノアも頑張るの」


 早速というか、リズ達はやる気満々でニコリとしていた。

 前から、こういう悪い人探しや宝探しは大得意だったもんね。


「それで、リズ達のお守りをジンさん達にお願いする事になりました」

「調査関連だから、執務官が同行したほうが良いだろうってな」

「このくらいなら全然大丈夫よ。今までの調査任務に比べれば、全然楽だわ」

「そうね。リズちゃん達が怪しいと思った人を確認するだけだもんね」


 レイナさんとカミラさんも、特別調査チームの件は大歓迎だった。

 今までは、遠地に行っての調査任務ばっかりだったもんね。


「お兄ちゃん、いつからやるの? 午後から?」

「直ぐにやるの?」

「担当の職員がつくから、それから始めるよ」

「「ええー!」」


 うん、リズとエレノアがいの一番でやりたいのには理由があります。

 クエスト男爵領の事が全部終わっちゃったので、午後から勉強する事になったのだ。

 因みに、マテオ君とジョディーちゃんとレビン男爵は、この後辺境伯様と共にクエスト男爵領に送って担当役人と打ち合わせをします。


「リズ、エレノア、これは遊びじゃないんだからね」

「分かっているよ。お仕事はちゃんとやるよ」

「悪い人をやっつけないと」


 うん、リズとエレノアは悪い人を見つけるだけじゃなくて、その場で倒す事まで考えているぞ。

 ここは、ストッパー役のジンさん達に頑張って貰わないと。


「ねえ、ミカエルは?」

「ブリットは?」

「二人はまだ小さいから、ルカちゃんとエドちゃんと一緒にお勉強だね。レイカちゃん達も一緒だね」

「「ええー!」」


 ミカエルとブリットは、勉強が沢山あるので不参加確定です。

 ちびっこ軍団で勉強しないといけないから、ここは我慢して貰わないとね。


「さあ、皆で昼食にしましょうね」

「まだまだやることは沢山あるわよ」


 王妃様とアリア様が声をかけてくれて、皆で昼食になりました。

 ともあれ、これでクエスト男爵領でのトラブルは終了です。

 因みにあの化粧が濃くて香水がキツイ女性も、別件の横領とかが発覚して更に厳しい取り調べが待っているそうです。

 悪い事はしちゃ駄目ですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る