六百六十一話 教皇国での闇ギルドの動きは?

 僕もちょっと落ち込んでいる所に、オカマさんがとっても美味しそうな料理を持ってきました。


「はあーい、お待ちどうさま。ごゆっくりね」

「「「美味しそう!」」」


 お腹ペコペコだったリズ達は、運ばれてきた料理から香る食欲がそそられる匂いに既に大興奮です。

 次々とテーブルの上に料理が並べられていき、皆も早速食べ始めました。


「何これ、普通のステーキなのに肉汁が溢れてくる!」

「ソースもパンチがあるのに、とても良い味がしていますわ」


 ナイフで切り分けたステーキを一口食べて、エマさんとオリビアさんは物凄くビックリしていました。

 焼き加減が絶妙なので、お肉を焼いただけなのに本当に美味しいんだよね。


「何で普通のミートソースなのに、こんなにも美味しいのだろうか? 正直、王城の料理よりも美味しい……」

「一度スラちゃんが疑問に思って鑑定しても、本当に普通の料理って出てきましたよ」

「本当に不思議だ。食が進むよ」


 ルーカスお兄様も、とても美味しそうにミートソースを食べています。

 本当に変なものは入っていないし、普通の料理なんだよね。


「もぐもぐ、カレちゃん、とっても美味しいよ!」

「そうね。いっぱい食べるのよ」

「うん!」


 ミカエルは、ドリアを口いっぱいにしながらカレン様の方を向いてニコニコしていました。

 カレン様も、そんなミカエルの頭をニコリとしながら撫でていました。


「ふふ、沢山食べていますわね」

「ええ、そうですわね。とっても可愛らしいです」


 ティナおばあさまとアレクサさんも、元気よく食べているリズ達やミカエル達を温かい眼差しで見ていました。

 お二人は、早くも完食しています。


「はあ、食ったくった。ボリュームのある料理も良いな」

「ボリュームがあると大味になりがちだけど、この店の料理は大味にならないわね」


 ジンさんとレイナさんも、大盛りのピラフを食べて大満足です。

 カミラさんとルリアンさんとナンシーさんも、結構な量を食べていました。


「はあい、小さい子にはあまーいアイスをプレゼントよ」

「「「「わーい」」」」


 ここでオカマさんが、ミカエル、ブリット、メイちゃん、リラちゃんにアイスクリームをサービスしてくれました。

 リズ達が少し羨ましそうにしているけど、ここは我慢しましょうね。

 あっ、ちょうど良いからオカマさんに話を聞いちゃおう。


「オカマさん、ここの所何か話を聞いていますか?」

「いーえ、本当に何にも話を聞いていないのよ。王国で悪さをしたってのは聞いたけど、教皇国では何にも聞かないのよ」

「うーん、それって逆に怪しいですよね……」

「私もそう思うわ」


 他にもお客さんがいるのでボヤかして聞いたけど、どうも闇ギルドはまたもや教皇国で何かしている可能性もあります。

 ここは、教皇様に連絡をして調べて貰う方が良いね。


「「「アイスおいしー! あまーい!」」」」

「リズ、アイス頼む!」

「エレノアも!」

「私も頼みます」

「イヨも」

「はいはい、ちょっと待っていてね」


 うん、リズ達もアイスを我慢できなくなったのね。

 結局、全員アイスを追加注文して甘さを堪能していました。


「また、お店に来ます」

「いつでも歓迎するわ。イヨもまたね」

「じゃあ」


 全員大満足の昼食になりました。

 何人かは次は何を頼もうかなって言っているので、近い内にまたお店に来る可能性がたかいですね。

 僕達はオカマさんに挨拶をしてから、カレン様を送る為に大教会に向かいました。


「うむ、確かに教皇国では驚く程何も事件が起きてない。そう考えると、おかしいと思えるな。聖騎士の巡回を増やそう」


 直ぐに教皇様と会うことができたので、さっきオカマさんから聞いた話を伝えました。

 何だかんだいって、闇ギルドは前も教皇国に拠点を置いていたもんね。

 教皇様も、直ぐに手をうってくれました。


「アレク、また仕事が増えたな」

「これは、ジンさんやスラちゃんの執務官のお仕事ですよ」

「うーん、どちらの仕事にもなるわね。アレク君、ジン、明日早速王城で会議だそうよ」

「「ええー!」」


 そして、ティナおばあさまから仕事の押しつけをしていた僕とジンさんに、残念なお知らせが届きました。

 はあ、僕のお仕事は当面無くならないっぽいです。

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