六百五十八話 久々の薬草採取です
今日は久々に何もない日です。
本音を言うと、ゆっくりゴロゴロしたいです。
でも、ゆっくりとできないのが僕達です。
「薬草採取に行くぞー!」
「「「おー!」」」
久々に冒険者活動ができるとあってか、リズのテンションは凄く高いです。
ミカエル達も久々に僕達と一緒なので、とってもニコニコしています。
うん、この状況で僕だけ行かないとは言えないね。
しかも、ルーカスお兄様とアイビー様にルーシーお姉様も薬草採取に参加します。
保護者として、近衛騎士と共にティナおばあさまもついてきました。
「アレク君とリズちゃんと一緒なのは、本当に久々ね」
「そうね。いつの間にか、アレク君もリズちゃんもとっても大きくなったわね」
エマさんとオリビアさんも、僕達と一緒に付いていきます。
ジンさん達もいるので、警備はバッチリです。
赤ちゃんとちびっこ軍団は辺境伯家で纏めて面倒を見てくれるので、アレクサさんも久々に薬草採取に参加します。
ポニさん達も付いてきて、皆で冒険者ギルドに向かいました。
「あら、エマちゃんとオリビアちゃんじゃない。久し振りね」
「随分と大人の女性になったわね」
街の人も、エマさんとオリビアさんと会うのは久し振りなので、色々と声をかけてきます。
エマさんとオリビアさんも、相変わらず街の人の人気者なんだね。
「おお、久々に大人数で来たな」
「賑やかなメンバーだな」
冒険者ギルドに着くと、久々ってのもあってか大勢の冒険者が僕達に声をかけてきました。
中には、やっぱり久々に会うエマさんとオリビアさんに声をかける人もいました。
「おーおー、今日は勢揃いだね。ちょうど新人もいるから、一緒に行くよ」
「「「おー!」」」
おばちゃんの後ろには、少年少女の五人組がいました。
暖かくなってきたから、村から辺境伯領に来る人が増えてきたんだね。
他にも街の人もいるそうなので、結構な大人数で森に向けて出発です。
「えっ、この街の領主様の娘さん?」
「はわわ、私達一緒についていっても良いんですか?」
「全然構わないよ。公式の場じゃなければ気にしないでね」
新人冒険者のグループは、エマさんとオリビアさんがこの辺境伯領の令嬢だと知ってビックリしました。
でも、本当は王太子様もいるんだけど、そこは黙っておきましょう。
「うーん、久々に体を動かせますわ」
「アレクサも、無理をしないようにな」
アレクサさんも妊娠出産で全く動けなかったので、久々の冒険者活動にワクワクしていました。
ジンさん達が側にいるから、きっと大丈夫だね。
そして、いつもの薬草採取ポイントに到着しました。
「ブルルルル!」
「おっ、春だからイノシシも出てきたんだ」
「やっぱり暖かくなると、動物も活動を始めるんだね」
元気いっぱいのイノシシを見ても、エマさんとオリビアさんはとっても余裕です。
「エマ、オリビア、私達がサポートするからやってみなさい」
「「はい!」」
「「「頑張れー!」」」
「「「ブルル!」」」
ティナおばあさまの提案で、エマさんとオリビアさんがイノシシを倒すことになりました。
リズ達とポニさん達は、既にエマさんとオリビアさんの応援モードに入っています。
ジリジリジリ。
だっ!
「ふっ、せい!」
「はあああ!」
「ブビー!」
「「「わー! カッコいい!」」」
「「「ヒヒーン」」」
勝負は一瞬で決着しました。
エマさんがフェイントを入れながらイノシシに近づいてイノシシの意識がエマさんに向いた瞬間に、オリビアさんが死角から一気にレイピアで急所を突きました。
更にエマさんもトドメの突きをイノシシにくらわして、確実に仕留めました。
「良かったわ。特に、油断せずにトドメをさすのは高評価よ」
「「ありがとうございます」」
「動物も魔物も瀕死の時に予期せぬ動きをする時があるから、新人冒険者も油断せずにね」
「「「はい!」」」
おお、流石はティナおばあさまだ。
エマさんとオリビアさんを褒めつつ、新人冒険者にも注意をしていたよ。
やっぱり、優秀な人は違うね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます