六百五十五話 エマさんとオリビアさんの卒業パーティー

 夕方になって、王都の辺境伯家の屋敷から辺境伯様とイザベラ様とエマさんにオリビアさんが僕のゲートで辺境伯領にやってきました。


「ふう、本格的に帰ってきたのは四年ぶりか。色々と変わっているね」

「ちょくちょく帰ってきていたけど、小さい子が沢山増えたわね」


 ルシアさんと一所に子ども部屋に沢山集まっているちびっこ軍団を見て、エマさんとオリビアさんは感慨深そうに見ていました。

 エマさんとオリビアさんが学園に入園した時は、僕とリズとミカエルだけだったもんね。


「エマお姉ちゃんとオリビアお姉ちゃんは、暫く辺境伯領にいるの?」

「ええ、そうよ。当分はいるよ」

「まだ、結婚相手も決まっていないのよ」


 リズがエマさんとオリビアさんに話をしていたけど、辺境伯家のお嬢様だから結婚相手の選別は大変そうですね。


「じゃあ、時間がある時に一緒に薬草採取に行こうよ!」

「そうね、私達も久々に冒険者活動したいわ」

「アレク君のお仕事がお休みの日にしましょうね」

「「「やったー!」」」


 リズだけでなく、ミカエル達もエマさんとオリビアさんと一緒に薬草採取ができるので大喜びしていました。

 皆でワイワイとするのが、ミカエル達も楽しみなんだよね。


「さあ、パーティーの準備が出来たわよ。ホールに移動しましょうね」

「「「はーい!」」」


 イザベラ様が子ども部屋にいた面々に声をかけると、ちびっこ軍団が元気よく手を上げました。

 今日は人数が多いので、ダンスホールにも使える二階のホールでパーティーを行います。

 既に王妃様やアリア様に、ルーカスお兄様とルーシーお姉様もホールに移動しています。

 アリア様が、エドちゃんとルカちゃんの手をひきながら二階に移動していました。


「「「あうあう」」」

「あかちゃも、なかよし!」

「うん、なかよしだね!」


 一足ホールに移動していた辺境伯家の双子ちゃんは、エリンちゃんとシェファードちゃんとアリンちゃんが仲良くベビーベッドに寝ているのを眺めていました。

 赤ちゃんトリオの側では、若干燃え尽き気味のジンさんが椅子に座っていました。

 更にマイク様達もいるので、とっても賑やかな雰囲気です。

 既に料理も並んでいて、子ども達もジュースを手にしていました。


「ごほん、エマもオリビアも無事に学園を卒業した。暫くは屋敷で勉強をする事になるが、今夜は二人の今後を祝って乾杯としたい。では、乾杯!」

「「「かんぱーい!」」」


 辺境伯様の乾杯の音頭で、賑やかなパーティーが始まりました。

 ちびっ子軍団は、早速目の前の料理にかぶりついています。

 日中いっぱい遊んだので、お腹ぺこぺこみたいですね。


「ねーね、おいちい?」

「こっちも、おいちいよ」

「とっても美味しいよ。ありがとうね」

「ステラもオリバーも、いっぱい食べようね」


 辺境伯家の双子ちゃんことステラちゃんとオリバーちゃんは、エマさんとオリビアさんにべったりとくっついてニコニコしながら一緒にお肉を食べていました。

 これから一緒にいるから、ステラちゃんとオリバーちゃんもとっても嬉しいのだろうね。


「エマとオリビアが本格的に辺境伯家の仕事を手伝う様になったら、ククリがブランターク男爵領に行く算段を整えないといけないわね」

「そうですね。ランディにも連絡をして、調整するようにします」


 ククリさんはランディ様からヘルプを頼まれていたけど、辺境伯領の仕事が沢山ありました。

 でも、エマさんとオリビアさんが辺境伯家に戻ってきたので、状況が変わったんですね。

 イザベラ様とククリさんが、今後の事を話し合っていました。


「私達も春休みに入ったので、仕事がない時は久々に薬草採取とかをしたいね」

「そうですわね。ずっと忙しかったので、少し他の事でもしてリフレッシュしたいですわ」


 ルーカスお兄様とアイビー様も、ようやくゆっくり出来るとあってのびのびとしていました。

 今日は生徒会としてバード伯爵の息子に対する対応で大忙しだったので、ちょっとお疲れモードですね。


「ねーねー、いつになったらぼうけんできるの?」

「エドもやくそうとりたい!」

「うーん、そうね。ミカエルの五歳の祝いが終わったらやりましょうね」

「「はーい」」


 ルカちゃんとエドちゃんも、早く薬草採取がしたくてたまらないんだね。

 王妃様のいう通り、ミカエルの五歳の祝いが良いタイミングかもね。

 こうして、皆もほっこりしながらパーティーは終わりました。

 でも、今年は沢山パーティーが出来そうですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る