六百三十八話 レイクランド辺境伯家に到着です
先に、ミカエル達やレイカちゃん達を屋敷に送りました。
「大変な事になっていますね。こちらは気にせずに頑張って下さい」
「纏めて、辺境伯家で面倒を見るから大丈夫よ。今まで何回もあったしね」
アレクサさんとソフィアさんにも事情を話したら、直ぐに理解してくれました。
「皆で赤ちゃんを守ってあげるんだよ」
「「「頑張る!」」」
ミカエル達にもソフィアさんとアレクサさんの赤ちゃんを見守るという指令を与えたし、ばっちりとやってくれるでしょう。
僕達は、一旦王城に戻りました。
「あれ? ティナおばあさまも一緒に行くんですか?」
「貴族相手だから、私が行った方が良いだろうって判断になったのよ」
ティナおばあさまも騎士服に着替えているけど、確かに僕とジンさんだけじゃどうしようもない時があるよね。
僕達は、近衛騎士と軍務卿と一緒に王都郊外の軍の駐屯地に向かいました。
「結構な人数がレイクランド辺境伯領に行くんですね」
「相手も一応伯爵家だから、何が起きるか分からないと思って行動する事にしたのだ」
今回は闇ギルドが相手になる可能性もあるし、一個中隊では少ないと軍務卿は思っているそうです。
二個中隊をゲートでレイクランド辺境伯領の軍の駐屯地に送り、僕達はレイクランド辺境伯家の屋敷に向かいました。
「レイクランド辺境伯様、お久しぶりです」
「アレク殿下も久しぶりですな。リズ殿下も大きくなられました」
屋敷の応接室で僕達を出迎えてくれたレイクランド辺境伯様は、相変わらず軍人っぽい筋肉ムキムキでした。
でも、もっと気になった事が。
「あのカレン様? もしかしてお孫さんですか?」
「いいえ、私の子どもですわ。孫も出来ておりますわよ」
「あうー」
おお、未だに学園生と言っても全く問題ないあのカレン様に子どもが出来たのか。
しかも孫までいるとは……
ティナおばあさまとリズにレイナさん達はニコニコしながらカレン様に抱かれている赤ちゃんを見ているけど、僕と軍務卿とジンさんは流石にとっても驚いたよ。
ま、先ずは話を進めないとね。
「今の所、ネイバー伯爵家に目立った動きはありません。しかし、確かに以前よりネイバー伯爵家には良くない噂が立っておりました」
「我が家のお抱え商人がネイバー伯爵家にも出入りしているのですが、何やら良くない感じの人が屋敷に出入りしていると言っております。もしかしたら、闇ギルド関連の人物なのかもしれません」
うーん、屋敷に出入りする不審な人物は、確かにとっても怪しいですね。
となると、既にネイバー伯爵家は怪しい人物と接触していると思って良さそうですね。
「我がレイクランド辺境伯領とネイバー伯爵領の領境は、既に厳重な警備を敷いております。この後、人員を増加する予定です」
「軍も一個中隊を監視にあたらせよう。レイクランド辺境伯領の守りも固めつつ、明日朝ネイバー伯爵領へ進む予定だ」
「となると、昼前にはネイバー伯爵領に到達しますな。統治の問題が発生する可能性があるので、私も現地に向かいましょう」
レイクランド辺境伯様が一緒に来てくれるというのは、とっても心強いですね。
レイクランド辺境伯様は、早速執事に指示を出していました。
ネイバー伯爵領への対策は、これで充分ですね。
あっ、あの事をレイクランド辺境伯様にお願いしないと。
「レイクランド辺境伯様、この争いが終わってからになりますが実は我が家で預かっているバイザー子爵家のミカエルやジンさん達の子どもがレイクランド湖で遊びたいと言っていまして、その構いませんでしょうか?」
「実を言いますと、王家の子ども達も遊びたいと申しておりまして。ご迷惑かと思いますが」
「ははは、全く構いませんぞ。王家の方々に遊びたいと言って貰えるなんて、我が領の誇りになりますぞ」
ティナおばあさまが主にルカちゃんとエドちゃんの事を追加で言ってくれたけど、レイクランド辺境伯様は豪快に笑いながら許可をしてくれました。
僕もホッと胸を撫でおろしました。
「ティナ殿下、お孫さんは実に賢く育ちましたな」
「ええ、こうして無事に大きくなっていくのが私の何よりの楽しみですわ」
レイクランド辺境伯様とティナおばあさまが笑いながら僕とお菓子を頬張っているリズの事を見ていたけど、僕としてはあんまり大きくなった実感はないんだよね。
こうして無事に話し合いは終了となり、僕達は一旦客室に案内されました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます