六百五話 穏やかな日かと思ったらドタバタが始まりました
年末までは薬草採取をしながらも、とても穏やかな日々が続きました。
懸念されていた疫病が広まる事もなく、ホッと一安心です。
「「「わーい!」」」
今日は安息日なので、薬草採取もお休みして皆で遊んでいます。
今は、ポニさん達が子ども用馬車をひいていて、ちびっこ軍団が交代で乗っています。
「ほらほら。落ちない様に、しっかりと手すりに掴まっていてね」
「「「はーい」」」
今は、辺境伯家の双子ちゃんとイヨが付き添いで馬車に乗っています。
イヨも、本当に子どもの面倒を見るのが上手になったね。
お腹が大きくなってきたソフィアさんも、楽しそうにはしゃいでいる双子ちゃんを目を細めていていました。
「「あうー」」
ペタペタ、ペタペタ。
「ケンちゃん、レオンちゃん、お馬さん大きいね」
「もう少し大きくなったら、馬車に乗せてもらいましょうね」
「「うー」」
「ブルル」
屋敷に近い芝生の上では、メイちゃんとリラちゃんの弟コンビが伏せているポニさんをペタペタと触っていました。
ケンちゃんとレオンちゃんは前からポニさん達と接しているし、ポニさん達も状況を把握しているからとても大人しくしています。
でも、侍従のお姉さんの言う通り、二人が馬車に乗るのは来年になってもう少し大きくなってからだね。
「いやあ、何もしないって素晴らしい……」
「キュー」
「ルシちゃん、お腹見えているよ」
「気にしない……」
「キュー」
ルシアさんとポッキーは、屋敷のバルコニーに寝っ転がって日向ぼっこをしています。
ククリさんも苦笑する程のだらけ具合だけど、今日は問題ないですね。
因みにマジカルラット達は、大きめのバスケットの中に入ってお昼寝中です。
そんなゆっくりしていた時に、とある出来事が起きました。
「おっ、皆ここにいたな。さっきアレクサが破水したんだ」
「「「破水?」」」
自分の屋敷にいたはずのジンさんが、慌てた様子で僕達の所にやってきました。
レイカちゃん達は何が何だか分かっていないけど、破水って事は。
「あのね、もうすぐアレクサさんの赤ちゃんが生まれるんだよ」
「「「おおー!」」」
ソフィアさんが情報を付け加えると、ちびっこ軍団は大興奮です。
でも、僕にはちょっと疑問があります。
「ソフィアさん、予定日よりも出産が早くないですか?」
「臨月に入っているし、このぐらいは大丈夫よ。さて、助産師のシスターさんを呼ばないとね」
流石は既に双子の母親だけあって、ソフィアさんは直ぐに動いていてくれました。
大人の女性陣にスラちゃんもお手伝いをするというので、僕たちは屋敷の中に戻りました。
「あかちゃん、いつうまれるかな?」
「おとうとかな? いもうとかな?」
「「「たのしみー!」」」
ジンさんの屋敷がドタバタしているのもあってか、レイカちゃんとガイルちゃんはグランドちゃんとガリバーちゃんと一緒に物凄く盛り上がっています。
ケンちゃんとレオンちゃんが生まれた時みたいに、遊び相手が増えると思っているみたいだね。
でも、出産は長期戦です。
皆でお風呂に入って夕食を食べても、まだアレクサさんの赤ちゃんは生まれません。
「「「すー、すー」」」」
しまいには、ちびっこ軍団は眠気に勝てずにミカエルと一緒にベッドで寝てしまいました。
というか、僕達も眠気が限界です。
「特に初産は長くなるからね」
「皆も寝ていてね。スラちゃんもついているから大丈夫よ」
「「「うん……」」」
侍従のお姉さんに促されて、半分寝ているリズ達も寝るように促されました。
そして、いつもの通りに僕のベッドで寝始めました。
「ほら、アレク君ももう寝てね」
「明日の朝には生まれているはずよ」
僕の侍従のお姉さんに促されて、部屋に行きました。
赤ちゃんに会える楽しみは、明日の朝のお楽しみだね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます