五百九十六話 再び辺境伯領での薬草採取です
こんな感じで各地で薬草採取を続けた結果、実は一週間でかなりの量の薬草を集める事ができました。
ひとまず必要な分の薬はできたけど、念には念を入れて各地での薬草採取を続けました。
そして、今日は辺境伯領での薬草採取です。
「沢山とるよー!」
「「「おー!」」」
辺境伯領での薬草採取なので、ミカエルとブリットは勿論の事、メイちゃんとリラちゃんもやる気満々で準備していました。
更には、執務官として忙しく動いていたスラちゃんも今日は僕達と一緒に薬草採取を行います。
今日はエレノアだけでなくルーシーお姉様も薬草採取に参加するので、本当に大人数ですね。
ポニさん達もやる気満々だし、ジンさん達だけでなくルシアさんとククリさんも参加します。
どんだけってメンバーですね。
因みに、今回は王妃様は薬草採取に参加しません。
王都での五歳の祝いの準備が忙しいらしいです。
ティナおばあさまとジェリルさんとランカーさんも準備万端なので、皆で冒険者ギルドに向かいます。
「おばちゃん、お待たせ!」
「大丈夫だよ、リズちゃん」
冒険者ギルドに着くと、おばちゃんが僕達の事を待ってくれていました。
それよりも気になるのが、おばちゃんの後ろにいる新人冒険者っぽい男性三人組です。
何だか顔にあざができているけど、大丈夫なのかな?
「おお、来たか。コイツラは新人なのにギルドでいきがってたから、おばちゃんに頼んで教育的指導をしてもらったんだよ」
と、タイミング良くギルドマスターが顔を出してきました。
周りにいる冒険者も顔があざだらけの冒険者を睨んでいる辺り、相当暴れちゃったんだね。
「まあ、いつも通りにやってくれや。現実を知れば、コイツラも大人しくなるだろうよ」
ギルドマスターも苦笑しているけど、男性三人組は既に暴れたらどうなるかを身をもって知ったはずだけどね。
今日何も依頼予定がない他の冒険者と一緒に、僕達は森に向かいました。
「うーん、どうやってあの三人組に現実を教えれば良いんでしょうか?」
「適当にやれば大丈夫だろう。このメンツなら、先輩冒険者に歯向かうのが馬鹿みたいな事だと直ぐに気付くはずさ」
「そうね。あの三人組を見た感じ、実力はミカエル以下ね。魔法アリだったら、メイちゃんとリラちゃんにも負けるわ」
「俺達は強いって勘違いしている典型例ね。直ぐに現実社会の厳しさを知るでしょう」
おお、ジンさんはともかくとして、レイナさんとカミラさんは三人組に対してかなり厳しい評価をしているよ。
でも、直ぐにレイナさんとカミラさんの言った事が分かりました。
「「「ガルルルル!」」」
「「「う、ウルフだ!」」」
森に入ったら、ウルフの群れが僕達を待っていました。
実はおばちゃんの頼みで、ポニさん達にあえて威圧を出さないでとお願いしていました。
とはいえ、いきなり腰を抜かすなんて、あの三人組はちょっとカッコ悪いなあ。
「じゃあ、ウルフの首を狙って魔法を放ってみましょうね」
「外れちゃっても気にしなくて良いわ」
「「はい!」」
シュッ、シュッ。
ザシュ。
「「ギャイーン!」」
一方で、メイちゃんとリラちゃんはルリアンさんとナンシーさんの教えを受けながら、風魔法でウルフの首を正確に切り落としていました。
流石は毎日僕達と一緒に魔法の訓練をしているだけあって、メイちゃんとリラちゃんは魔法がとっても上手だね。
「とー、やー!」
ザシュ、ザシュ、ザシュ。
残りのウルフは、リズとスラちゃんが愛刀片手に一気に斬り伏せました。
これで目の前にいたウルフは、全て片付きましたね。
「ほら、何時まで腰を抜かしているんだ! さっさと血抜きをするぞ」
「薬草採取は、リズが教えるよ」
「「「はいぃぃ……」」」
そして、いつも通りにおばちゃんの血抜き講座とリズの薬草採取講座が始まります。
あっという間にウルフを倒したリズに対しても、三人組は大人しく言う事を聞いていました。
「なっ、言っただろう。直ぐに現実を知るって」
苦笑しながら話しかけてきたジンさんに対して、僕も思わず苦笑してしまいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます