五百九十話 マロード男爵領での薬草採取兼害獣駆除

 翌日は、予定通りにマロード男爵領で薬草採取兼害獣駆除を行います。


「あうあう」

「ライちゃん、可愛いね」

「とっても可愛いの」


 女性陣は、早速ライちゃんがいるベビーベッドの所に群がっています。

 因みに、今日は僕達とジンさん達に加えてエレノアが参加しています。

 ティナおばあさまとルーシーお姉様は公務があるので、やむなく参加できないそうです。

 ライちゃんはとっても元気で、ミルクもよく飲むんだって。

 まだ首が座っていないので抱っこはできないけど、年明けには皆に抱っこされていそうですね。


「マロード男爵領の治療研究所でも、薬の増産を行っています。幸いにして、普段から薬草は沢山採れますので」


 マロード男爵様は心配要らないって表情をしているけど、このマロード男爵領は元々治療する手立てもいっぱいあるんだよね。


「今回は害獣駆除と薬草採取だけど、また落ち着いたら息子をみてやってくれ」


 マイク様は、ライちゃんが可愛くて仕方ないみたいですね。

 髪の毛はマイク様そっくりだけど、顔立ちはセシルさんに似ていてとっても美形です。

 今日は直ぐに薬草採取をしないといけないからこれで屋敷を後にするけど、今度はゆっくりと遊びに来たいですね。

 僕達は最後にライちゃんにバイバイをして、僕達は森に移動しました。


「じゃあ、適当に害獣駆除をしつつ薬草を採るか」

「「「おー!」」」


 ジンさんが皆に軽く方針を伝えると、リズ達も元気よく手を上げていました。

 今日はほぼサンディとイヨの従魔になっているマジカルラットに加えて、キンクマに近いマジカルラットの父親と母親も参加しています。

 ジンさんとレイナさんとプリンが辺りを警戒してくれるので、僕達は薬草採取に専念します。


 ごそごそごそ。


「お兄ちゃん、これもアイテムボックスに入れて」

「アレクお兄ちゃん、エレノアのも入れて欲しいの」

「はいはい、ちょっと待っててね」


 本気で薬草を採って良いので、リズ達は物凄い勢いで薬草を集めていきます。

 というか、集めるスピードが凄くて、三十分おきにマロード男爵領の冒険者ギルドに納品しに行ってます。

 因みにマロード男爵領の治療研究所では早速疫病の治療薬を作っていて、僕が冒険者ギルドに薬草を納品すると直ぐに手続きをして治療研究所に持っていってくれます。


「キュー」

「キュキュ」

「こっちも集まったんだね。ありがとうね」


 マジカルラット達も、薬草集めに奮闘しています。

 そして、プリンも監視の合間を見て薬草を集めています。

 凄い量の薬草が集まってきたぞ。


「せい!」

「やあ!」


 ジンさんとレイナさんに加えて、カミラさんとルリアンさんとナンシーさんも害獣駆除をしています。

 思ったより、多くの鹿と猪を倒しているね。


「ジンの聖剣は反則よね。剣撃を遠くに飛ばせるなんて、普通の剣じゃできないわ」

「でも、出力の制御が難しいんだよ。出力を出しすぎると、何本もの木も切れるぞ」


 聖剣の威力は凄いから、ジンさんも扱いには苦労しているんだね。

 レイナさんの魔鉄化された剣も、凄い切れ味なんだけどね。

 ジンさん達が倒した害獣の血抜きとアイテムボックスへの収納は、プリンが張り切ってやっています。


「よし、取り敢えずこんなもんで良いだろう。午前中は終了だな」


 お昼前になったので、ジンさんの掛け声で僕達も薬草採取を終えます。

 生活魔法で服を綺麗にしてから、再びマロード男爵領の冒険者ギルドに向かいました。


 ドーン。


「沢山取ったな。鹿と猪も多いな」

「薬草は上限ないと思うが、害獣駆除はどうする?」

「うーん、もう少し間引いて欲しいな。まあ、来週はあのおばちゃんがマロード男爵領に来るやしいから、手は増えるだろう」


 ジンさんが職員と話をしているけど、おばちゃんがマロード男爵領にくるなら害獣駆除は全く問題ないね。

 来週もマロード男爵領に行くという事にして、僕達は次の目的地に向かいました。

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