五百八十四話 皆でボンバー伯爵家へ
コンコン。
「失礼します。ボンバー伯爵より、面会準備が出来たと連絡が御座いました」
「よし、行こう。きっちりと話をつけないとならないな」
執事が応接室に入ってきて、辺境伯様に話をしました。
皆立ち上がって、出発の準備を整えます。
「エマ、オリビアは屋敷に残った方が良いだろう。レオ君は、申し訳ないが来てくれると助かる。話の進捗状況によっては、王城に助けを入れる必要もあるだろう。内務卿については、念の為にこういう話があったと伝えてある」
辺境伯様が僕にそう言ってきたけど、何となくだけど王城に助けを求める可能性が高いような気がするなあ。
赤ちゃんとの婚姻の手紙を出すくらいの貴族だもんね。
そんな気がしながら、僕も馬車に乗り込みました。
からからから。
「先ずは、ボンバー伯爵がどう出るかだな」
「そうですな。しかし、何とも頭の痛い事ですな」
辺境伯様とマロード男爵様がため息をつきながら話をしているけど、僕としては無言ながら威圧感が漏れているイザベラ様とマロード男爵夫人の方が気になります。
お二人は、まるで戦地に乗り込む気合を放っています。
まあ、ある意味戦地になるのは間違いないからね。
そして、馬車はある屋敷の中に入って行きました。
ここがボンバー伯爵の屋敷みたいですね。
「庭に沢山の像が飾ってありますね」
「無駄の極みだな」
辺境伯様がバッサリと切り捨てたけど、ボンバー伯爵の屋敷の庭には良く分からない像が沢山ありました。
大きな噴水もあるし、庭の作りに統一性が無くて何がなんだか良く分からないですね。
一体いくらかけたのか、僕もあ然としちゃいます。
馬車を降りた僕達は、そのまま屋敷の応接室に案内されました。
「剥製とか絵とかツボとか、沢山ありましたね」
「といっても、それ程価値はない物だな。どうせ、商人に言われるがままに購入したのだろう。金の使い方を知らない貴族が良くやる事だ」
うーん、更に辺境伯様のボンバー伯爵への評価が低くなったぞ。
趣味の悪い物を集めるのは、その貴族が調度品を見る目がないという判断をされるそうです。
確かに、辺境伯様の屋敷にある調度品は、数は少ないけどとても良い物です。
ボンバー伯爵みたく、こんなにどぎつい調度品じゃないですよ。
こんこん。
「皆様、お館様が参られます」
執事っぽい人が応接室に入ってきたので、僕達はソファーから立ち上がりました。
ボンバー伯爵がどんな人なのか、実はちょっとわくわくしています。
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