五百七十五話 結婚式当日の朝
そして、いよいよブランターク男爵領での結婚式当日になりました。
僕は、また忙しいタクシー役として遠方の人をブランターク男爵領に連れていきます。
因みに、既に辺境伯領からブランターク男爵領に向かう人は全員連れて行きました。
僕達もそうだけど、ランディさんとクラヴィーアさんの学園での同級生も数多く含んでいます。
ブランターク男爵領の屋敷や宿では同級生を受け入れきれないので、辺境伯領にも泊まっていたんだって。
さて、今度は王城に向かいます。
「「「うぐっ……うぅ……」」」
王城についたら、既に号泣モードの商務卿家の男性陣が待ち構えていました。
絶対に結婚式では号泣するかと思っていたけど、いくらなんでも早すぎないですか?
因みに、商務卿夫人はこの前迎えに行ってからそのままブランターク男爵領に残っています。
商務卿夫人は、大好きな田舎ライフを満喫しています。
「私達の準備も出来たわ」
「着替えも出来たの」
ティナおばあさまに加えてエレノアも結婚式に参加する事になり、ドレスに着替えた二人に加えて護衛の近衛騎士も準備万端です。
僕は、ブランターク男爵領の屋敷にゲートを繋げました。
参加者はこれで全員ですね。
僕もゲートをくぐりました。
「「「わーい!」」」
「うふふ、可愛らしいですわね」
「ええ、本当ですわ」
えっと、これはどういう事でしょうか。
着替えを終えたリズ達と一緒に、何故か帝国にいるはずのリルムがいます。
更には、教皇国にいるはずのカレン様と、共和国にいるはずのクレイモアさんがはしゃいでいる子ども達を微笑ましく見ていました。
他にも王妃様と一緒にルーカスお兄様とアイビー様とルーシーお姉様もいるし、ミカエル達の所にはルカちゃんとエドちゃんもいます。
いま名前を上げた人達は、結婚式に参加しなくなったはずだよ。
「折角だからと言う事で、スラちゃんが連れてきてくれたのよ。ここにいる面々なら、ゴブリンが千匹いても余裕だわ」
綺麗に着飾った商務卿夫人がそう話すので、僕は何も言えません。
まあジンさんもいるし、いざという時は何とかなるでしょう。
という事で、皆で教会に移動します。
「う、うぅ……二人とも綺麗だよ……」
「お、お父様、いくら何でも泣きすぎですよ」
「そ、そうですよ。ちょっと落ち着いて下さい」
教会の新婦控え室に行っても、商務卿の号泣は止まりません。
これには、新婦のクラヴィーアさんとルルーさんもかなり困惑しています。
とは言え、結婚式のバージンロードさえ終われば商務卿の出番は終了です。
何とか、そこまで我慢して貰いましょう。
「じゃあ、リズ達も頑張ってね」
「「「頑張るよ!」」」
リズ達もこれからフラワーガールとフラワーボーイをやるので、気合十分です。
白い花びらをまくだけなので、リルムとルカちゃんとエドちゃんも一緒に参加予定です。
「皆様、そろそろお時間ですので教会の中にお入り下さい」
式典担当のシスターが声をかけてきたので、僕達はぞろぞろと教会の中へ移動します。
個人的には、リズ達よりも商務卿が失敗しないかとっても心配です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます