転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

五百七十二話 ある意味計画犯？

　今度は王城に行って、とある人をブランターク男爵領に連れていきます。

　因みにリズ達はお勉強の日なので、エレノア達と一緒に勉強中です。

「レオ君、今日は宜しく頼むね」

　そう、クラヴィーアさんの母親の商務卿の奥さんです。

　もう何回も顔を合わせているので、僕とも親しい関係です。

「レオ君、悪いけど最初にレイナの所に行ってくれないかしら」

　あ、商務卿夫人はニヤッとしているけど、絶対にレイナさんをこき使う気だね。

　という事で、侍従と一緒に先ずジンさんの屋敷に向かいます。

「ばーばー」

「あらレイカちゃん、久しぶりね」

「えへへ」

　商務卿夫人は、笑顔で出迎えてくれた孫のレイカちゃんを抱き上げます。

　うーん、商務卿夫人はとても若々しいから自分の子どもを抱き上げていると言われても不思議じゃないなあ。

　それに、レイカちゃんは商務卿と違って商務卿夫人にはとっても懐いているんだよね。

「お母様、来るなら一言言って下さいな」

「別に良いじゃない。レイナも、クラヴィーアとルルーの結婚式準備に行くわよ」

「何となく、そうなるんじゃないかと思ったわよ。もう、準備は出来ているわ」

　おお、レイナさんが準備完璧なんて凄いね。

　でも、きっとジンさんが手伝ってくれたのかもしれないね。

　という事で、レイナさんとレイカちゃんも一緒にブランターク男爵領に向かいます。

「ここは自然が豊かで良い所よね」

「開発も進んできていますし、暮らしやすさも上がっています」

「そうね、何せ辺境伯領に接している事が大きいわ」

　屋敷につくと、僕達は試着が行われている部屋に向かいます。

　商務卿夫人は、自然豊かなブランターク男爵領がお気に入りなんだよね。

　王都のざわざわとした空気とは、全く違うもんね。

「この間は、ミカエル達と一緒に教会の掃除をしたんですよ」

「まあ、ありがとうね。私もその光景を見たかったわ」

　廊下を歩きながら先日の話をするけど、とっても可愛らしい光景だったもんね。

　そして、皆で試着をしている部屋に到着します。

　こんこん。

「私よ、入るわ」

　かちゃ。

「わあ、とっても綺麗です」

　丁度部屋の中では、ウェディングドレスの試着をしているルルーさんとクラヴィーアさんの姿がありました。

　ルルーさんがお姫様みたいなふわふわのウェディングドレスで、クラヴィーアさんがすっきりとしたキリリとしたウェディングドレスです。

　二人のドレス姿を見た商務卿夫人は、うんうん頷きながら目を細めていました。

「二人ともとっても綺麗よ。娘の花嫁姿だから、余計に綺麗に見えるわね」

「御夫人様、色々お手伝い頂き感謝いたします」

「何言ってるのよ。ルルーも小さい頃から見ていたのだから、私にとっては娘みたいなものよ」

「御夫人様、有難う御座います」

　ルルーさんもずっとクラヴィーアさん付きの侍従として、長く商務卿の屋敷で働いていたもんね。

　商務卿夫人にとっては、今回の結婚式は二人の娘をお嫁に出す気分なのかもしれないね。

「さて、折角だからランディの所にも行きましょう。二人とも、着替え終わったら打ち合わせしましょうね」

　僕達はレイナさんとレイカちゃんを部屋に残して、今度はランディさんが試着を行っている部屋に向かいます。

　こんこん。

「私よ、入るわ」

「お義母様？　ちょ、ちょっと待って下さい！」

　かちゃ。

「あら、うふふ」

　部屋では丁度ランディさんがズボンを脱いでいて、パンツいっちょになっていた所でした。

　ランディさんは思わず固まってしまったけど、商務卿夫人は良い物を見たって表情をしていました。