転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

五百六十七話 ソフィアさんの懐妊発覚

　ともあれ、ブランターク男爵領での結婚式は、両家の関係者と討伐に参加した冒険者だけとなりました。

　まあ、反発は出るだろうなと思ったけど、閣僚は闇ギルド対応で忙しくてそれどころではないのが幸いでした。

　辺境伯夫妻は参加するのですが、その代わりにジェイドさんとソフィアさんはお留守番になりました。

「まさか、このタイミングで妊娠が発覚するとは。運命ってものは分かりませんわね」

　そう、ソフィアさんの妊娠が発覚したのです。

　出産タイミングは来年の春頃で、ちょうどルシアさんの結婚式のタイミングと被りそうです。

　とはいえ、今回の主役はジェイド様とルシアさんなのでソフィアさんは赤ちゃんが産まれても問題ないって言っていました。

「おとーと？　いもーと？」

「どっち？」

「ふふ、どっちかしらね。ステラ、オリバー、可愛がってあげてね」

「「うん！」」

　双子ちゃんは、ソフィアさんに抱きつきながら産まれてくる赤ちゃんに興味津々です。

　いつもミカエルとかジンさん達の子どもと遊んでいるけど、やっぱり自分の弟か妹だと興味も違うよね。

「はーい、じゃあ二人ともこっちに来て遊びましょうね」

「「はーい」」

　ともあれ、ソフィアさんは安定期まで大人しくしないといけないので、ルシアさんが大活躍しています。

　双子ちゃんもすっかりルシアさんに懐いているので、とっても安心ですね。

「結婚式ももうすぐですけど、準備は大丈夫ですか？」

「大丈夫よ。ランディの所は両親が他界しているけど、うちの母親が既にブランターク男爵領に入って、あれこれ指示を出しているわ」

　クラヴィーアさんが応えてくれたけど、ランディさんとルルーさんの両親は既に他界しているんだよね。

　でも、ルルーさんはクラヴィーアさんとは姉妹の様な存在だし、クラヴィーアさんのお母さんが張り切るのも何となく分かるなあ。

「式は教会で挙げて屋敷で披露宴をするだけだし、参列者も限られるから大丈夫よ」

「最初は、偉い人の大集合予定でしたからね」

「流石にあの面子での結婚式は、私も気が引けるわ。形式張った物もあまり好きじゃないんだけどね」

　お菓子を食べながら、クラヴィーアさんが面倒くさそうにしていました。

　確かに、偉い人が多すぎて緊張しちゃうよね。

　王家からはティナおばあさまだけ参加する事になったし、そこは大丈夫なのかなって思います。

「結婚式の参加者は辺境伯家と王都からだけなので、僕のゲートで送っていきます。冒険者は、馬車に乗って向かうそうですよ」

「でも、アレクサさんは辺境伯領に残るんだよね。お腹もだいぶ大きくなってきたし」

「妊婦さんは、僕のゲートでもスラちゃんの長距離転移でもだめですから。馬車に乗れば半日で着きますけど、無理はさせられないって事になったんです」

　僕はソフィアさんと話をするけど、残念ながら今回の結婚式にはアレクサさんは参加できません。

　お腹が大きいし、何かあったら大変だもんね。

　アレクサさんは、ソフィアさんと一緒にお留守番となります。

「おにーちゃん、まだお話終わらないの？」

「もうそろそろ終わるよ」

　おっと、リズが応接室に顔を出してきた。

　結婚式関連の話は、これでお終いですね。

「もうすぐ昼食だから、皆を呼んできてね」

「はーい」

　ソフィアさんの声に、リズが元気よく手を上げました。

　今日はミカエル達やレイカちゃん達も一緒だから、とっても賑やかな昼食になりそうですね。