五百六十五話 作業も一段落です

 さてさて、僕達にはまだまだ作業があります。

 仮住居を建てた所から少し離れた場所の土地を、綺麗に整地していきます。


 ザシュ、ザシュ。


「ティナおばあさま、この位の広さで大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫よ。じゃあ、整地しちゃいましょう」


 僕とスラちゃんが作っているのは、臨時の魔導船発着場です。

 草を刈って整地すれば良いだけなので、こちらは仮住居と比べてもとっても楽ちんです。

 ノエルさんも手伝ってくれて、あっという間に完成です。


 とととと。


「「「「わーい」」」」


 ここで乗船体験を終えて大満足したルカちゃんとエドちゃんにミカエルとブリットが、整備したばっかりの臨時の魔導船発着場に走ってきました。

 そして、そのまま臨時の発着場を元気よく走り回っています。

 子どもにとっては、とっても広い遊び場だろうね。


「まてー!」

「「「「わー!」」」」


 リズ達に混じってルシアさんも追いかけっこをしているけど、特に気にしない事にしよう。

 ルシアさんは、ずっと子ども達の面倒を見ていたみたいですしね。


「さあ、少し休憩したら王城に帰りましょうね」

「「「「はーい」」」」


 ティナおばあさまが、はしゃいでいる子ども達に声をかけています。

 今日はここまでで、魔導船の発着所もできたから後は魔導船を使っての運用がメインになります。

 因みにスラちゃんのアイテムボックスに入っていた軍用船も、そのまま港に係留する事になりました。

 という事で、皆で王城に戻ります。


「ご苦労だった。これでナイツ子爵領での駐留準備は出来ただろう。明日にも魔導船が現地に到着する。これからは、軍主導での活動になる」


 王城について早速会議室に呼ばれた僕とティナおばあさまとジンさんを、陛下が開口一番ねぎらってくれました。

 春の学園での魔獣化した生徒の騒ぎから、ここまで色々とあったもんね。


「ただ、闇ギルドの拠点の一つを押さえたに過ぎない。今後も、闇ギルドの拠点を探して潰していかないとならない。地道な捜査になるが、続けていくしかなかろう」


 陛下がため息混じりで話をしたけど、闇ギルドの拠点がいきなり見つかるわけないよね。

 軍も、各駐屯地を拠点にして活動を活発化させるそうです。

 会議はこの位にして、僕達は王城のいつもの食堂に移動しました。


「はい、今日は魚介類を沢山使ったパスタですよ」

「「「「やったー!」」」」


 今日も、魚介類を使った料理が昼食に振舞われました。

 美味しそうな料理に、主に小さな子ども達は大興奮です。


「アレク君も、ここ数日忙しかったのだから今日はゆっくり休みなさいね」


 ティナおばあさまも、昼食を食べながら僕に話しかけてくれました。

 とにかく、ナイツ子爵への沙汰がまだだけど一息ついて僕もホッとしています。

 屋敷に帰ったら、お昼寝しようかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る