五百五十六話 サーゲロイド辺境伯様と今後の話
昼食後は屋敷の前での炊き出しと無料治療なのですが、僕とティナおばあさまは別の用事があります。
ですので、他の人に炊き出しと無料治療を任せる事になります。
「じゃあ、ジンさん、レイナさん、炊き出しと無料治療をよろしくお願いします」
「おう、こっちは気にするな」
ジンさんが、この場は問題ないと言ってくれました。
実際にナイツ子爵邸に勤めている侍従も、炊き出しを手伝ってくれています。
ですので、調理の手は沢山あります。
スラちゃんがアイテムボックスから大鍋を二つ出したので、いくらでも料理が可能です。
「ふふふ、今日は何だか料理が出来そうな気がするわ」
「レイナ、今日も料理なんて出来ないだろうが!」
「お姉様、止めて下さい!」
「そうです。お義姉様は列の整理をお願いします」
えーっと、ジンさん家族の愉快な一コマはさておき、今日はルルーさんとクラヴィーアさんもいるから炊き出しとしても実際の戦力も充分です。
という事で、僕はサーゲロイド辺境伯領にゲートを繋いでティナおばあさまとプリンと一緒に屋敷に向かいました。
「サーゲロイド辺境伯様、お忙しい所色々と頼む事になり申し訳ございません」
「いやいや、儂らも万が一に備えて準備しておりました。それに、被害を最小限に食い止めて頂き感謝します」
早速僕とティナおばあさまは、サーゲロイド辺境伯様と面会をします。
事前にティナおばあさまからサーゲロイド辺境伯様に連絡が行っていたので、とてもスムーズに話が進みます。
そして、ティナおばあさまがサーゲロイド辺境伯様に封蝋された手紙を渡しました。
サーゲロイド辺境伯様が手紙を開封して、ふむふむと言いながら中身を確認しました。
「正式な国からの命令書ですな。では、人選しておりました代官を直ぐに呼び寄せます」
「よろしくお願いします。移動の際は、僕のゲートで向かいます」
「家族も揃って移動した方が良いでしょう。資金を渡して、必要な物は現地で購入させる様にします」
事前にサーゲロイド辺境伯様には王城から連絡が行っていましたが、ナイツ子爵領は誰も統治する人がいなくなってしまったので王城とサーゲロイド辺境伯領より代官を送って当面の間統治を進める事になりました。
バイザー領と同じ感じですが、バイザー領は僕やミカエルの様にバイザー家の血を引いている者がいるのでナイツ子爵家とは訳が違います。
ナイツ子爵家は、一族全てが闇ギルドとの取引で捕縛されちゃいました。
誰が今後この領地を統治するのかで、色々紛糾しそうですね。
「既に商人達も、ナイツ子爵領への往来の量を増やしました。ナイツ子爵領は海産物が有名で、高値で取引されますので」
「僕もお昼に海の幸を食べましたが、とっても美味しかったですよ」
「アレク殿下も召し上がりましたか。儂も食べた事がありますが、とても旨みが強くてただ焼いたりするだけでも美味ですな」
ナイツ子爵領の海の幸は、サーゲロイド辺境伯様も思わず笑みになる美味しさだよね。
ティナおばあさまもジンさんも絶賛しているし、これからもっと広まりそうだね。
「しかしながら、今回の闇ギルドの件は思ったよりも影響が大きそうですな。何よりも闇ギルド健在という事を、国内外で示した事にもなります」
「ええ、何とも頭の痛い事ですわ。しかし、当面の対策は変わりありません。地道な捜査の継続になりますが、闇ギルドの尻尾を追いかける事は続きますわ」
闇ギルドとの戦いを止める訳にもいかないし、継続して対策を進める事になります。
特に生き残ったナンバーズのドクターとピエロとの戦いは、長く続きそうな気がするんだよね。
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