五百五十一話 炊き出しと新たな謎
お昼頃になると、殆どの人も戻ってきました。
ほぼ捜索は終了みたいですね。
「しかし、まだこれだけの証拠が出てきたか」
「机の裏とかに落ちていた物が多いから、どうも何かの拍子で無くした書類が多いみたいです」
ルーカスお兄様とオーガスさんが話をするけど、ナイツ子爵と嫡男はいい加減な性格だっていう事が証明されました。
因みに、出てきた証拠品は直ぐにスラちゃんが王城に届けました。
「ふふふ、お宝はどこにあるかリズには分かるのだ」
「じゃあ、今度どんな所にお宝があるかを書いてね。それを軍に教えないと」
「リズにお任せだよ!」
リズは既に証拠品を探すのをお宝探しと前々から思っているので、ティナおばあさまに言われて何処に落ちていそうかをリストアップしてもらう事になりました。
このリストがあれば、隠されていそうな場所が一目で分かるもんね。
「さて、屋敷の捜索はこの辺までにしておこう。兵の調査で、街の医療体制も良くない事が分かった。午後は屋敷の前を会場にして、炊き出しを兼ねて無料治療をする事にした。皆にも手伝って貰いたい」
「「「おー!」」」
やはりというか、街の医療体制が少し駄目になっていました。
圧政による税金徴収のせいみたいです。
炊き出しをしながら、更に炊き出しに並んだ人から街の情報を集めます。
「食材は街の商店から購入しよう。スラちゃんが大鍋を持っているらしいし、必要に応じて街から購入しよう」
「「「はっ」」」
ルーカスお兄様の指示に、兵も動き始めます。
炊き出しの物を食べれば昼食は充分って事で、僕達も早速動き始めます。
「さあ、今日は私も料理しようと」
「「「だめー!」」」
うん、何度あったやり取りだろうか。
レイナさんが包丁を持っているのを、皆で阻止しました。
色々な人から、レイナさんとカミラさんの料理の腕が上がっていないという情報を得ています。
今日はジンさんがいないので、僕とスラちゃんとルシアさんとククリさんで料理を作ります。
「はい、どうですか?」
「すっかり良くなりました」
本当はティナおばあさまとアイビー様にも料理に参加して欲しかったのですが、思った以上に治療に並ぶ人が多いので治療に多くの手をさいています。
回復魔法が使えるリズとエレノアとミカエルとブリットにチャールズさん、ミカエルの従魔であるマジカルラットのネネちゃんも回復魔法が使えるのでルーシーお姉様が預かっています。
その他の人も話を聞きつつ、ポーション等を使用して怪我人や病人の治療にあたりました。
「子爵様は、重税を取っていたんですよ。もう、搾り取る様にしていました」
「一体何にお金を使っていたのか、全く分かりませんでした」
「特に、ここ一年は更に税の取り立てが厳しくなっていました」
街の人から出てくるのは、重税の取り立ての話でした。
うーん、でも屋敷からはそんなに高価なものは出てこなかったんだよね。
一体、集めたお金は何処にいっちゃったのだろうか?
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