五百三十三話 スラちゃんたちがナイツ子爵領へ出発
翌日、僕とスラちゃんは王城に向かいました。
目的地であるナイツ子爵領へ向かうのは、男性の軍人で総勢三名。
ここにスラちゃんも加わります。
旅の冒険者の一行としてナイツ子爵領へ向かう予定なので、軍人も冒険者の格好をしています。
「道中も何があるか分からないが、スラちゃんがいれば問題ないだろう。食事の道具も持っているしな」
軍務卿が話をするけど、スラちゃんは料理もできるし何でもできるもんね。
僕は軍務卿とスラちゃんと軍人と共に、サーゲイロード辺境伯領に向かいました。
「まさかこんな事態になっているとはのう。サーゲイロード辺境伯領でも、怪しい冒険者の捕縛を進めております」
久々に会うサーゲイロード辺境伯様も、はあっとため息をついていました。
サーゲロイド辺境伯様も、今回の闇ギルドが冒険者を使っての違法薬物の運搬をしていた事に驚きがあったのでしょうね。
「今の捜査状況だと、どうも奴らは小規模の領地ではなく規模の大きな領地で何かをやろうと企んでいるみたいです」
「恐らく、闇ギルドに逆らうとこうなると見せつけるのもあるのでしょう。いずれにしても、まだ魔獣化したものが一人だけというのが幸いですな」
軍務卿も言っているけど、今回主に不審だと思われている冒険者は殆どが王都と各辺境伯領で見つかっています。
捕縛も進めていて、既にリストアップしたものの半分以上は捕まえる事ができました。
残り半分の怪しい冒険者の捕縛に、全力を上げて取り組んでいるそうです。
ジンさん達一部の冒険者も、不審者を捕まえる為に動いています。
「いずれにせよ、ナイツ子爵領で何が起きているか調べないとなるまい。我が領には数が少ないがナイツ子爵領と取引をしている商人がおるので、事情を聞いてみるぞ」
サーゲロイド辺境伯様も、色々と動いてくれる事になりました。
そして、僕達はナイツ子爵領に向かう一行を見送りました。
無事に現地に着いたら、スラちゃんが僕の事を迎えに来て僕がゲートを使う様にする予定です。
「さて、後は定期連絡を貰いつつ五日後を楽しみにするだけだな。こちらも戻るか」
一行の見送りが終わると、僕と軍務卿は王城に戻ります。
そして、直ぐに会議室に呼ばれました。
「先ずは調査隊が現地に向かっている間に、不審な冒険者をできるだけ捕縛する。また、冒険者が暴走した事を考慮して、各辺境伯領へ軍を追加配備しよう」
「では、さっそく部隊の選抜を行います。既に王都の巡回部隊も増やしておりますが、夜間巡回部隊も増やします」
僕達も、更にやるだけの事はやらないといけないよね。
軍の部隊の選抜が終わったら、僕のゲートで各地に送り届ける予定です。
話し合いはこのくらいで終わりにして、僕は屋敷に帰ります。
「ただいま、あれ? マジカルラットの子ども達はどこに行った?」
「おかえり、プリンちゃんとブッチー達と一緒に街を巡回しに行くって。潜入捜査の練習もするってよ」
というか、どうもブッチー達はジンさん達と一緒に行動しているようです。
皆、あくまでもやりすぎない程度に頑張ってね。
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