五百三十二話 皆でお風呂タイム

 僕とジンさんとスラちゃんは、会議が終わると王城から屋敷に戻りました。

 僕とジンさんは交互にスラちゃんの長距離転移で連れて行って貰ったけど、本当に僕も一緒に運んでいました。

 正直な所、僕には使えない魔法なのでちょっと悔しいです。


「にーに、おかえりー」


 僕とスラちゃんが食堂に姿を現すと、ミカエル達が食堂で何かを食べていました。

 ちょうど振り向いたミカエルが手にしていたのは、僕が作っておいたプリンだった。


「ミカエル、そのプリンはどうした?」

「うんとね、ルシちゃが出した」


 わお、まさかのルシアさんが冷蔵の魔導具から取り出していたとは。

 まあ、元々皆のおやつとして作ってあるから食べても問題ないんだけどね。


「うーん、このプリンは美味しいね。お店で売っているプリンよりも美味しいよ!」


 当のルシアさんは三つ目のプリンを食べているけど、流石に食べすぎです。

 丁度、食堂に我が家の主なメンバーが集まっているので、これからの事を説明します。


「お兄ちゃん、リズ達がその屋敷に行く事はあるの?」

「たぶん屋敷を制圧したら何があるか探さないといけないから、その時は手伝って貰うと思うよ」

「宝探しなら、リズにお任せだよ!」


 今回は何があるか分からないので、調査完了までは専門部隊が行う事になっています。

 実際の突入作戦が始まったら、僕達は参加しても後方支援部隊ですね。


「ポッキー、頑張ってね!」

「キュー!」


 ルシアさんの激にポッキーがサムズアップしているけど、スラちゃんとプリンと同じくアイテムボックスを使えるポッキーには結構期待しています。

 そして、やる気満々のポッキーとは対照的にプリンが激しく落ち込んでいました。


「街を巡回していたのに、悪者を見つけられなかったから悔しいんだって。その代わりに、潜入捜査はリベンジするんだってよ」


 まあ、リズが通訳してくれなくても、僕にもプリンが落ち込んでいる理由は分かるけどね。

 スラちゃんがプリンの事を慰めているけど、プリンはいつも頑張ってくれているからなあ。


「じゃあ、夕食前に皆でお風呂に入っちゃおうか?」

「「「さんせー!」」」


 夕食まで少し時間があるので、ルシアさんが皆をお風呂に連れていきます。

 こういう時に、ルシアさんの子どものお世話スキルが役に立つね。

 人数が多いので、ククリさんも一緒にお手伝いしてくれるようです。


「皆、ゆっくり入ってきてね」

「何いっているの? アレク君も私達と一緒に入るわよ」

「はっ?」


 ルシアさん、何言っているんですか?

 僕はもう八歳なので、大人の女性とはお風呂に入りませんよ。

 リズ達とはまだお風呂に入っている、というかリズ達が一緒じゃないと嫌がっているけど、それとは全く話が違いますよ。


 ひょい。


 そんな事を思っていたら、僕の事をルシアさんが持ち上げてしまいました。


「もう、恥ずかしがらなくて良いのよ。チーちゃんも、その頃は私と一緒に入っていたし」

「いや、え、ちょっと!」

「アレク殿下、諦めて下さい。こうなると、ルシちゃんの行動は止まりません」

「えー!」


 ククリさんからも、諦めた方が良いと苦笑しながら言われてしまいました。

 そして、僕はルシアさんに持ち上げられたまま浴室に運ばれてしまいました。

 因みに、ルシアさんのお胸が大きいのは知っていましたが、ククリさんも脱いだら凄かったです。

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