五百二十話 ルーカスお兄様のお友達
ある日の事、辺境伯様が僕とジンさんを屋敷に呼びました。
辺境伯様が僕とジンさんを呼ぶなんて珍しいなあと思いつつ、辺境伯様の屋敷の応接室に移動しました。
「話というのはルーカス殿下のご学友の件になる。どうも冒険者活動に興味を持ったみたいで、なら泊まりを兼ねて辺境伯家にきたらどうかって話になった。勿論、全く問題ない人材という事を確認している」
「ルーカスの学友というと、将来の国の幹部候補だな。なら、庶民の生活を経験する良い機会になる」
「僕も、頑張って皆さんの事をフォローします」
勿論ジンさんも僕も、辺境伯様の話に協力します。
個人的には、ルーカスお兄様のお友達がどんな人かとっても興味があります。
「休息日の前日の夕方に、王都の辺境伯家の屋敷に集まる事になっている。アレク君、悪いが迎えに行ってくれないか?」
「分かりました。その日は何もないので、何時でも大丈夫です」
スケジュールも確認できたし、後は当日を待つだけですね。
因みにリズ達も、ルーカスお兄様のお友達に会う事をとっても楽しみにしていました。
「ルーカスお兄様のお友達って、一体どんな人なんだろう?」
「貴族の家名は聞いたことがあるけど、歴史が長いけど特に問題ない家系よ」
そしてお出迎え当日になり、僕はイザベラ様と一緒に王都の辺境伯家の屋敷に移動しました。
イザベラ様は貴族の当主夫人にふさわしい落ち着いたドレスに着替えていて、僕もそれなりの服に着替えています。
どうもイザベラ様はルーカスお兄様のお友達の情報を知っているみたいで、特に問題ないのはとっても有り難いです。
もし、テシウス伯爵の三男みたいな大騒ぎをする人がいたら、正直困ると思っていたよ。
そんな事を思いながら応接室にいると、執事が応接室の中に入ってきました。
「奥様、アレク殿下、お嬢様とルーカス殿下とアイビー様、それにルーカス殿下の御学友とティナ様も参られました」
「あれ? ティナおばあさまも来たんですね」
僕はちょっと不思議に思いながら、イザベラ様と一緒に玄関に行きました。
「お母様、アレク君、ただいま」
「皆を連れてきたわ」
エマさんとオリビアさんが、僕とイザベラ様に帰宅の挨拶をしました。
エマさんとオリビアさんの後ろには、ルーカスお兄様とアイビー様とティナおばあさまの他に男性三人と女性一人がいました。
挨拶は辺境伯領に行ってから行う事になったので、ゲートを繋いで皆で移動します。
「るーにーに、おかえりー」
「あいねーねも、おかえりー」
「おっと、ミカエルただいま」
「ブリットも元気にしていましたか?」
「「うん」」
辺境伯領の屋敷に着くと、ルーカスお兄様大好きのミカエルとブリットが早速抱きついて行きました。
他の子ども達も一斉にルーカスお兄様とアイビー様の所に駆け寄ってきました。
「わあ、とっても可愛いですわ」
ルーカスお兄様とアイビー様と一緒に来たちょっとぽわぽわしたお友達が、良い物を見たという顔をしています。
確かにルーカスお兄様とアイビー様が子ども達と戯れていて、とってもほのぼのとした風景ですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます