転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

四百六十九話 ランディさんとの話し合い

　直近で一番大きなイベントであったルーカスお兄様とアイビー様の学園見学もあっさりと終わりました。

　ここで、改めてランディさんの所に挨拶に行こうとなったので、関係者でブランターク男爵領に向かいます。

　とはいっても関係者がかなりいっぱいなので、現地に向かう人を絞ることにしました。

　王家からはティナおばあさまとルーカスお兄様、辺境伯家からはジェイド様、後はジンさんも参加します。

　他の人達は、勉強をしながら赤ちゃんと触れ合うそうです。

　という事で、ブランターク男爵領の屋敷にゲートを繋ぎます。

「皆さん、お待ちしておりました。中へどうぞ」

　ブランターク男爵領の屋敷に着いた僕達を出迎えてくれたのは、メイド服を着たルルーさんです。

　実はルルーさんは、月の半分をブランターク領で過ごす事になっていました。

　ブランターク領の事をもっと知りたいと、積極的に行動していました。

　勿論、今日僕達がブランターク領に行く話も伝えてあります。

　僕達はルルーさんの案内で、屋敷の応接室に通されました。

「ランディさんは直ぐに来ますので、もう少しお待ち下さい」

「ありがとう。ふふ、ルルーはすっかり若奥様ね」

「あ、あ、ありがとうござます」

　ルルーさんが紅茶を入れてくれているけど、ティナおばあさまのいう通りすっかりランディさんの奥さんって感じです。

　ルルーさんが顔を赤らめて返事をしているけど、ジンさんはちょっと複雑な表情をしていました。

　そりゃ、つい最近までずっと二人っきりだった妹が、もうそろそろお嫁に行くからなあ。

「ほらほら、ジンも可愛くて仕方ない妹がお嫁に行くからってそんな顔をしないの。気持ちは分からなくもないけどね」

「はは、ジンも妹離れする時がやってきたか」

「分かっていますって。暫くしたら慣れると思いますよ」

　ジンさんも自分の事は分かっているのか、ティナおばあさまとジェイド様の少しからかう様な話も軽く流していた。

　そんな兄の事を、ルルーさんも仕方ないなって表情で見ていました。

　コンコン。

「お待たせして申し訳ありません」

　と、ここでランディさんが応接室に入ってきました。

　ジンさんも助かったといった表情になってます。

　先ずは、ランディさんから話をします。

「皆様には本当にご迷惑をおかけしました。お陰様をもちまして、ブランターク男爵領も何とか持ち直しました」

「ランディが働いたからこそ良い結果になったのよ。これからも民の事を思いながら、統治を行う事ね」

「ありがとうございます、肝に銘じます」

　ティナおばあさまが代表して答えたけど、王城でもランディさんの対応は良かったと聞いています。

　ギリギリのラインだったけど、それでも合格らしいです。

「ブランターク男爵家の借金はどうなりました？」

「執事の持っている財産を差し引いても、少し残っています。しかし、事業計画も行える位の借金ですので、慌てずに完済していきます」

「そうね。今は無理をして返済しない方が良いわ」

　しかし、ブランターク男爵家の借金の大半を返済できたとは、例の執事は相当なお金を貯め込んでいたんだなあ。

　因みに執事は死刑で、執事とグルだった商人や侍従も相当の刑罰を受けるそうです。

「森はお金が稼げると、冒険者も沢山やってきました。お陰様で、市中にもお金が回るようになりました」

「俺も話を聞いただけだが、獲物は沢山いるから上級の冒険者にとっては金を稼げる森だな。初心者にはちょっとキツイがな」

　ジンさんの言う事はよく分かる。

　まだ森には動物や魔物はいるけど、上級冒険者なら難なく倒せるレベルです。

　獲物を多く倒せるから、上級冒険者にとっては稼げる森なんだろうね。