四百四十一話 マイク様とセシルさんの結婚式
邪魔者がいなくなったので、いよいよマイク様とセシルさんの結婚式が始まります。
警備の関係で街の教会での結婚式が行えなくなったので、屋敷の中に簡易祭壇を作りました。
そして、神父さんはマロード男爵領の司祭が努めます。
カレン様が来ているので折角だからと言われたのだが、カレン様がたまには一般客として結婚式を見たいと言いました。
どうもカレン様は神母役が多いらしく、来賓として参加する事が少ないとの事です。
「マイク、緊張しているのか?」
「生徒会長らしくないぞ」
「「「ははは」」」
「おい、煩いぞ!」
祭壇の前では珍しくソワソワしているマイク様の姿があって、同級生からからかわれていた。
いつもひょうひょうとしているマイク様らしくないなあ。
「それでは、新婦の入場です」
おっと、司会の挨拶があったぞ。
僕達は一斉に後方を見ます。
「可愛らしいフラワーボーイとフラワーガールと共に、マロード男爵様と新婦が入場されます」
パチパチパチパチ。
僕達が大きな拍手をする中、フラワーボーイとフラワーガールに先導されながらマロード男爵とセシルさんが入場してきます。
フラワーボーイとフラワーガールは、リズとサンディとイヨに加えてエレノアとルーシーお姉様も努めています。
更にミカエルとブリッドも、一生懸命に白い花びらを投げています。
そして、実はルイちゃんとエドちゃんも、ルーシーお姉様とエレノアに手を引かれながらよちよちと歩いています。
流石にルイちゃんとエドちゃんは花びらを落とすような感じだけど、来賓客は微笑ましいと目を細めています。
念の為に、スラちゃんとプリンがルイちゃんとエドちゃんの護衛についています。
「花嫁姿、とっても綺麗ね」
「くそう、マイクの奴は上手いことやったんだな」
綺麗な花嫁衣裳のセシルさんさんをみた同級生達は、様々な思いを口にしながら拍手をしています。
どうもセシルさんは男子の間では人気だったらしく、恋に破れた男子の悔しい声が漏れていました。
「娘を、どうか頼むぞ」
「はい!」
そしてバージンロードの真ん中に来ていたマイク様が、マロード男爵様からセシルさんを受け取りました。
マイク様がマロード男爵領に婿に行くので、マロード男爵様も商務卿の様に号泣せずニコニコとしています。
そして、マイク様とセシルさんが司祭様の前に立ちました。
「ごほん、それでは神に二人が結婚する事を報告します」
いよいよ結婚式が始まります。
散々マイクさんを冷やかしていた同級生も、この時ばかりは静かにしています。
「それでは、マイク・フォン・ホーエンハイムはセシル・フォン・マロードを妻とし、終生愛する事を誓いますか?」
「はい、誓います」
「続いて、セシル・フォン・マロードはマイク・フォン・ホーエンハイムを夫とし、終生愛する事を誓いますか?」
「はい、誓います」
「それでは、お互いに指輪の交換を」
宣誓の後指輪を交換すると、またもやマイク様の同級生がソワソワし始めた。
「それでは誓いの口づけを」
「「はい」」
司祭様の言葉を聞いたマイク様が、セシルさんのベールを持ち上げた。
そして、誓いの口づけを行ないます。
「「「ヒューヒュー!」」」
と、マイク様の同級生からはやすような声が飛びました。
他の来賓も、拍手をしている人もいたり指笛をしている人もいます。
うーん、皆ノリノリだなあ。
「まさに新たな夫婦が誕生しました。盛大な拍手で送り出して下さい」
「「「ヒューヒュー!」」」
退場の際も、拍手に混ざって指笛が聞こえてきた。
皆、ノリノリで新郎新婦を送り出していきます。
「マイクお兄ちゃんの同級生は、皆ノリの良い人が多いんですよ」
「こうなるのは予測していましたが、本当にやるとは思いませんでした」
エマさんとオリビアさんもちょっと苦笑していたけど、皆のテンションも良いので良い事にしておきましょう。
こうして、新たな夫婦が誕生しました。
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