四百二十六話 皆んなのアレクサさんの評価

「まあ、最初からかなり分かりやすい態度だったからね」

「私達にも、アレクサさんがジンに好意を持っている事は直ぐに分かったよ」

「えっ!」


 更にはレイナさんとカミラさんからの追撃が入った。

 アレクサさんは、ジンさんの妻であるレイナさんとカミラさんから突っ込まれて、少し慌てた表情になっていた。


「まあ、ジンは貴族だし、数人位側室が増えても問題ないけどね」

「流石に何も知らない人が相手なら考えるけど、アレクサなら旅を通じて人となりが分かっているからね」


 レイナさんとカミラさんは、ジンさんの側室が増える事には問題ない様だ。

 そしてちょっと二人でヒソヒソと話をしてから、ジンさんに話しかけた。


「ジン、聖剣をアレクサに渡して」

「多分、それで全て分かるから」

「はあ、分かったよ」


 アレクサさんはジンさんから鞘に入った聖剣を受け取ったけど、何がなんだか分からなかった。

 だけど、僕達にはレイナさんとカミラさんの意図が直ぐに分かった。

 アレクサさんが、軽々とジンさんの聖剣を持っている事が重要なのだ。

 因みに聖剣は今の所ジンさんにしか抜けないので、アレクサさんが持っても赤ちゃんや子ども達に危害を加える事はありません。


「ふふ、これは分かりやすいわね」

「そうね、とても分かりやすい結果だわ」

「この結果なら、誰も反対しないわね」

「??」


 王妃様とアリア様とティナおばあさまも僕と同じ考えの様で、聖剣を持っているアレクサさんをにこやかに見つめていた。

 アレクサさんは、何がなんだか分からない様だ。

 なので、ここでルルーさんとクラヴィーアさんが種明かしをする事になりました。


「あの、お兄ちゃんの聖剣は誰もが持てる訳ではないんです」

「義兄と聖剣が認めた者のみ、聖剣を持てるのですわ。他の方は、聖剣を持つ事すら不可能ですわ」

「えっ!」


 アレクサさんはかなりびっくりしているけど、これまた本当なんだよね。

 ジンさんの家族の様に親しい関係の人なら、聖剣を軽々と持てるんだよね。

 僕達もちょっと重いけど、聖剣を持つ事はできます。

 でも、全然知らない人は全く聖剣を持つ事ができないんだよね。

 

「まあ、アレクサの人となりは旅をしながら見ていたし、全く問題ないわね。子ども達も、何も問題なくアレクサと接しているわ」

「そういえば、レリーフ枢機卿が今回の旅に同行する為に、髪まで切って頑張っていたって言っていたわ」

「教会でも、アレクサさんの思いは本当だって皆で陰ながらに見守っていたのですよ」

「なっ!」


 更に王妃様とアリア様とカレン様からも、アレクサさんの色々な秘密をバラしてしまった。

 もうここまでくれば、アレクサさんがジンさんの事をどれだけ好きかが分かってしまった。

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