(四)-3

「あ、あ、あ、危ないよ、し、し、し、死んじゃうか、か、か、かも」

 大岸も古山のことを心配していた。

「いいから。痛いのは俺だから、大丈夫」

 そう言って古山は二人をなだめた。

 そして最後のセリフを発語した。

 言い終わると、脚立の最上段に腹を付けた大岸が、両手を突き出すように持っていたコンクリートブロックを手から離した。

 ブロックは地球の引力と自重により床の方向に移動し始めた。そして古山の頭部、脳天のところに直撃した。


(続く)

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