(二)-7

 そして、古山は三人に千円札を一枚づつ配った。

 萩野が受け取りながら「全然ウケんかったな」と呟いた。

 古山は「ま、いつも通りだな」と返した。

「つ、つ、つ、次は、ど、ど、ど、どこだっけ?」

「次は……、学校の実技の授業での発表やろ」

「よし、次こそは、だな」

「せやな」

「そ、そ、そ、そうだね」

 大岸がそう言うと、古山は「じゃあ、帰るか」と立ち上がった。

 他の二人も立ち上がり、三人は部屋を出た。

 二週間後、三人は東梅田のオシモト興業が運営する「笑いの学校」の教室にいた。

 舞台に見立てたところで、ピンで活動する生徒や、コンビになった生徒たちがコントや漫才を次々と披露していった。


(続く)

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