第三百七十九話 緊急会議
「それじゃ、行ってくるよ!」
「気をつけてな」
「はい」
オリガとマリリさんの結婚式が近づいてきたので、念の為にバスク子爵領の巡回をする事になった。
正式に軍に所属した聖女部隊をバスク子爵領へ派遣する。
今回はミケとリンとオリガ二マルクを中心に、兵とうちの従魔で対応する。
馬がやる気満々なので、行かせてやることにした。
スラタロウを除いたスライム軍団にホワイトとバハムートのコンビも参加するので、ゴブリンが一万体きても余裕だろう。
俺は皆を見送り、ララとリリとレイアとともに王城に向かった。
バスク子爵領は警戒を強化しているので、何もないと思っていた。
思っていたのだが、残念な事に何かが見つかったという。
「はあ? 人間が目の前で溶けた?」
「私も信じられませんが、確かに目の前で人が溶けてしまいました」
「おそらく人神教国の残党かと思いますが、魔獣化の薬を服用したと思われます」
昼食時にホワイトに連れられてリンとオリガがやってきた。
人が溶けるって、一体何をしでかしたんだろう。
既にホワイトが目の前で溶けた人物をアイテムボックスに回収して、軍の研究所に送っている。
と言うことで追加で軍を送り、更に薬を服用しなかった者を拘束して尋問しているらしい。
「どうも、オリガとマリリの結婚式を襲撃する予定だった様だ。人神教国にとって、王都防衛に加えて教祖を倒したオリガとマリリはサトーと並んで殺害順位の上位だったらしい」
緊急の会議が開かれ、軍務卿が尋問結果を公表した。
閣僚に加えて、リンとオリガも加わっている。
勿論尋問には王妃様達も加わっている。
オリガとマリリさんの結婚式を潰そうとしたのが一次尋問でわかったので、相当怒っていた様だ。
「服用したと思われる魔獣化の薬は、どうも使用期限が切れていて中身が変容していた様だ。押収した薬を引き続き解析している」
「人神教国の残党はゲリラ行為を続けている。恐らく結婚式を襲撃して、健在をアピールしたかったのだろうな」
「パレードを計画していなくて良かったです。一般住民を巻き込む事にならない様に気をつけないといけませんね」
軍務卿と宰相とも話をするが、奴らは本当にしつこい。
散発的にゲリラ活動をされると、こちらも気が抜けないぞ。
「オリガとマリリの結婚式は、内容は変更しないが警備は厳重にしよう」
「サトーの結婚式も、警戒しないとなりませんね」
皆国の重要人物になってしまったので、こればかりはしょうがない。
とはいえ、堅苦しい結婚式は嫌だなあ。
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