三百六十二話 事の次第
王城の何時もの控室に、謁見会場にいたうちのメンバーが集まる。
さっきの謁見での衝撃発表に、未だに呆然としています。
そんな中、ミケとララとリリから一言。
「「お兄ちゃん、結婚の事知らなかったの?」」
は?
もしかして、またもや俺だけ知らないというこのパターンか?
レイアやオリガにマリリさん、挙句の果てに俺とは別便できたシルク様まで知っている様だぞ。
そんな中、会議室に犯人が入ってきた。
「ほほほ、久しぶりにサトーの面白い顔が見れたわ」
「あの、ポカーンとした顔は見物でしたわよ」
「久しぶりにサトーを出し抜いたわ」
現れたのは王妃様とフローラ様とライラック様。
くそ、これが陛下が主犯だったら文句を言っていたけど、王妃様達だと強く言えない。
年季の差で簡単に反撃されてしまう。
そして、ソフィー皇女とジュリエット公女に加えてエステルとリンとフローレンスも入ってきた。
全員にこやかに談笑しているという事は、もう決定事項なのだろう。
「改めまして、サトー様お久しぶりです」
「だます様な形になり、申し訳ありません」
「いえ、ここまで話が確定していますので、今更どうこうするつもりは御座いません。宜しくお願いします、ソフィー皇女様、ジュリエット公女様」
「私の事はソフィーとお呼び下さい」
「私もジュリエットでお願いします」
「分かった。ソフィー、ジュリエット」
どうもエステル達と同じ扱いにして欲しいらしい。
呼び捨てにすると、ニコリと笑ってくれた。
「因みにね、人神教国の件が片付いた辺りからこの話が進んでいたんだよ」
「は? そんな前から? 今思えば収穫祭頃は怪しいかなと思ったけど」
「というか、お母さんがショコラとホワイトを使って、頻繁に交渉していたらしいよ」
思わず俺は王妃様達を見てしまった。
王妃様はフフフと微笑むだけだった。
「まあ、二人もサトーに恩義があるみたいだし、好意もあるから問題ないかな」
「それが一番の問題です。お互いに良い感情がありませんと」
「既にお互いが知り合いで、屋敷での生活経験もあります。何も問題ありません」
エステルとリンとフローレンスは、婚約者として一緒に生活する事に全く異論はなさそうだ。
ミケもララもリリもレイアも、既に歓迎モードになっている。
「結婚式の事で変更が発生したから、後ほど皆で話し合いましょう」
「今日は仕事初めですし、お仕事をしないといけませんね」
「という事で、マリリとフローレンスは二人の事をよろしくね」
「「はい」」
この後普通に仕事をしないといけないので、一旦話はここで切り上げます。
早速ソフィーとジュリエットは、うちの屋敷に向かう様だ。
「あと、巡回部隊の再編の件でエステルとリンにオリガとミケちゃんは軍の方に行ってだって。こっちも話し合いがあるってよ」
「分かりました」
リンが代表してフローラ様からの報告に答えている。
そういえば、新しい巡回部隊は誰が部隊長になるのかな。
俺も仕事をしないといけないので、レイアと新たに執務官になったララとリリを連れて仕事場に向かった。
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