第三百六十一話 騒動の始まり
新年も四日目の今日は仕事初めなので、陛下の新年のお言葉がある。
なので、集合できる貴族は王城に集まっている。
勿論、領地経営なので王城に来れない貴族もいるので、後で今日の謁見内容は書面で各貴族に通知されるそうだ。
今日の主な謁見で陛下が話す内容は、昇進関係の事と閣僚などの人事異動。
とは言え事前に来ている話では、オリガとマリリさんが名誉貴族になる事くらいだ。
閣僚の異動もないらしいので、謁見は短時間で終了する予定だ。
因みに俺もミケもレイアも謁見用の服で出勤です。
オリガとマリリさんも一緒に王城に行きます。
謁見会場に到着すると、既に多くの貴族が会場に並んでいた。
俺とミケとレイアも顔なじみの貴族と挨拶をして所定の位置についた。
「国王陛下、ご入場」
係の人の合図で陛下が入場するので、一斉に臣下の礼をとった。
あ、陛下が俺の顔をみてニヤリとしたぞ。
これは俺がらみで絶対何かありそうだ。
「一同面をあげよ」
陛下の言葉で会場に来ている貴族が顔をあげた。
謁見が始まるのだが、さっきの陛下のニヤリが物凄く気にかかる。
「昨年は王国の歴史史上最も変化のあった年だった。だがこうして皆の顔を無事に見る事ができて嬉しく思うぞ」
昨年は人神教国がらみで、王都防衛戦に市街地戦まであったからなあ。
貴族の勢力も大幅に変わったし、激動の一年だった。
「さて、新年にあたり閣僚の任命を新たに行う」
陛下の予想外の言葉に、俺はびっくりしている
確か人事異動はなかったはず。
一体何があったのだろう。
「ライズ伯爵並びにサルビア男爵、前へ」
え、人事異動って俺とレイアの事かよ。
訳が分からないので、話を聞いてみよう。
とりあえず前に出てみよう。
「ライズ伯爵並びにサルビア男爵、ここに」
「うむ、ライズ伯爵並びにサルビア男爵は現在内政執務官だが、宰相補佐並びに全閣僚補佐官とする」
「「承りました」」
えーっと、つまり宰相と一緒に仕事をして閣僚の仕事の補佐もする。
結局今までと何も変わらないじゃん。
ただ単に正式に何でも屋ってなっただけだ。
レイアはともかくとして、俺はがっくりしながら定位置に戻った。
「続いて叙爵を行う。オリガ並びにマリリは前へ」
「「はい」」
叙爵関係で既に話が決まっているオリガとマリリさんが前にでた。
「此度の王都防衛戦並びに人神教国との戦いの功績により、オリガには名誉男爵に、マリリは名誉男爵とする」
「「謹んで承ります」」
「また、現在王都の巡回を行っているライズ伯爵の部隊を、国軍の巡回部隊に吸収し再編を行う」
この辺りも決定している事で、聖女部隊のメンバーが大量に入学するのでどうするかを陛下と相談したのだ。
どうも新兵の教育を兼ねるらしいぞ。
「続いて、ララとリリは前へ」
「「はい」」
あれ?
何でここにララとリリがいるんだ?
ちゃっかり謁見用の服に着替えているぞ。
「ララとリリについても王都防衛戦並びに人神教国との戦いの功績により、それぞれ名誉男爵とする。また、執務官を命ずる」
「「はい」」
という事は、前から言っていた人員補充がララとリリなのかい。
まあ、二人は幼いけど優秀だから大丈夫か。
「最後に国交と婚姻関係について報告する」
おや?
今更国交関係はやる事ないと思うけど。
帝国とも公国とも友好関係だし、王族同士もよく一緒に遊んでいる。
しかも婚姻関係って何だ?
そう思っていたら、帝国のソフィー皇女と公国のジュリエット公女が正装で現れた。
全く状況がつかめないぞ。
「この度、帝国並びに公国との友好を深める為、帝国のソフィー皇女と公国のジュリエット公女がライズ伯爵に嫁ぐ事になった。二人とも継承権はない為、ライズ伯爵並びに生まれた子が王位に着く事はない」
「「「おお!」」」
「え?」
陛下の発表に謁見会場は沸くけど、俺は完全にフリーズしてしまった。
帝国のソフィー皇女と公国のジュリエット公女も、少し顔が赤くなっているが表情は晴れやかだ。
「以上で謁見は終了とする」
そして陛下の合図により陛下と閣僚に加えてソフィー皇女とジュリエット公女も退場した。
貴族も続々と退場している。
「え? え?」
「ほら、パパ行くよ」
俺は訳が分からないまま、レイアに促されて退場した。
一体何が起きているんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます