第四話 備品を確認しよう!

「そうだ、シル。色々あってスルーしていたが、お前喋れるのか?」

「主人、我は念話が使えるのだ。主人と主人の認めた者には我の声が聞こえるぞ」


 猫耳幼女と神様? からの手紙のインパクトに負けて普通にスルーしていたが、どうやらシルは念話が使えるらしく、聞こえる人も自分に関係する人だけらしい。

 そりゃいきなり大きなオオカミが喋ったら、知らない人はびっくりするだろうね。


「ねえシル。シルはミケともお話出来る?」

「もちろんだぞ。我はミケとも話をする事が出来るぞ」

「やった! ミケ、シルとお話し出来て嬉しいー!」


 ミケはシルと念話が出来る事が嬉しいらしく、シルの首元にぎゅっと抱きついている。

 シルも尻尾をぶんぶんと振っている。

 二人とも仲良く出来そうだな。


「さて、折角神様? がアイテムボックスに色々入れてくれたんだ。中に何が入っているか確認をしよう」


 シルとミケがじゃれている間に、持ち物を確認しよう。

 お、アイテムボックスの中身は、頭の中に浮かんでくるのか。

 ……なになに……


 ・100万ゴールドがチャージされた魔道具(サトー専用)

  ゴールドだと、日本円と比べてどのくらいの価値があるんだろうか?

  しかしカードみたいなものにお金がチャージされているのか、しかも本人専用とは……

  ある意味文明が日本よりも進んでいるぞ!

 ・衣類や下着など

  お、ミケの分も入れてくれている。これは助かった。

  街に着いたら、ミケにも色々買ってあげよう。

 ・毛布とかテントなど

  野外で過ごす事もあるので、テントはいいなあ。五〜六人くらいは入れそう。

  毛布とかはもう少し増やそう。

 ・包丁や鍋などの料理道具にお米や野菜にお肉

  街に着くまでの間、野宿しても大丈夫そうだな。

  空腹を我慢しなくてもよさそうだ。

 ・武器 大剣や片手剣、日本刀の様な物、ヤリに盾もあるぞ

  魔物がいるから対策をしないとね。

  自分は日本刀がいいのかな?

 ・この世界の地図

  だいぶアバウトだけど,あるのはありがたい。


 どうやって取り出せばいいのかな? こうかな?

 「日本刀、取り出し」


 お、手の中に日本刀が出てきたぞ。

 それなら日本刀収納と言えば、日本刀が格納されるのかな? と思ったら、日本刀が収納された。

 いちいち言葉にしなくても、頭の中で念じると物の出し入れが出来るのか。

 アイテムボックスは便利だな!


「お兄ちゃん、何をしているの?」


 色々な物を出し入れしていると、シルにじゃれついていたミケがこっちに歩いてきた。


「アイテムボックスの中身を確認していたんだよ」

「おー、すごい! 何が入っていたの?」

「色々入っていたよ。服とか食料とか、武器も入っていたよ」

「おお、ミケも武器を持ちたい!」


 ミケはアイテムボックスに何が入っているか興味津々らしいが、武器を持ちたいらしい。

 ……ちょっと危なくないかな?


「主人、ミケにも武器を装備した方がいいぞ。我は強いから問題ないが、ミケには何かあった方が良いぞ。こう見えてもミケは結構強いのだ」

「えっへん!」


 シルが俺に対して補足してくれて、ミケは腰に手を当ててない胸を張っていた。

 ……シルが言うなら大丈夫なのかな?もう少しミケにも聞いてみよう。


「ミケ、本当に大丈夫か? 危なくないか?」

「大丈夫だよ!お兄ちゃんは心配性だな! どんな武器があるのか見せて!」


 ……逆にミケに言い返された。

 武器が見たいとの事なので、幾つか出してみよう。

 ミケの体に合わせると、短刀くらいかな?


「お兄ちゃん、武器がちっちゃいよ。もっと大きいのない?」


 え、これだとダメなの?

 しょうがないから、アイテムボックスにある武器を色々出してみた。

 アイテムボックスに入っている武器の数が凄いなあ……


「あ、お兄ちゃんこれがいい!」

「ちょっとミケ、本当にこれなの?」

「うん、これがいい!」


 ミケが指差したのは、なんとでっかいバトルハンマー。

 小さいミケよりも大きい武器だぞ!

 俺も持ち上げるの一苦労した物だぞ。

 

 と思ったら、ミケは片手でヒョイと持ち上げると、軽々とぶんぶん振り回していた。

 ……あれー、俺の目の錯覚かな……


「主人、獣人は幼くても力持ちだぞ。しかもミケは獣人の中でも特別だ。あのくらいの物は軽いぞ」

「……解説ありがとうございます、シルさん」

「どういたしましてだぞ、主人」


 シルが解説してくれたが、若干目の前の光景が信じられなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る