日記

藍崎乃那華

1. 虐待

『ゆるして、ゆるしてください』

そう大人に訴え続けた

小さな体で

覚えたての言葉で

必死に、何度も訴え続けた

しかしその言葉は届かなかった


友達と遊ぶこと

ご飯を食べること

それら当たり前の行為は許されず

躾と称した体罰をされること

それが彼女にとっての当たり前となった


児童相談所に一時保護されても

幸せを手に入れたとしても

すぐに幸せはなくなる

『ここにいたい』

『帰りたくない』

そんな彼女の願いは

叶わなかった


結果彼女は帰らぬ人となった

最後まで生きようとした彼女

間違った当たり前の中でも

必死に生きようとしていた彼女

そんな彼女は最後

何を思ったのだろうか。

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