第二話 屋敷を掃除するだけの命懸けのお仕事
「これより先、6日目の夜、我が主様が
しかし嘆かわしいことに、その会場となる
やはり…何だろうか、汚い。天井には
「この屋敷は過去に人の手によって作られました。しかし、我ら使い魔は人ではない。掃除が上手く出来ず
「その結果、俺が掃除することになった訳か…」
「左様。ですがご安心ください、本来人間なんぞ使い魔にするものではありません。茶会が無事終われば、きっと許され、あなた様は使命を全うしたものとして開放されます」
「…しかし、万が一茶会が失敗に終われば…おぉ、考えただけでも恐ろしい」
ぶるりと梟は演技のように身を震わせる。
…なんか腹立つなぁ。
「つきました、あなたの部屋です」
そう言うと梟は器用に扉を開け中に入っていく、俺のついて中に入る。
「これより6日間。あなたはここで生活することとなります。常識の範囲内であれば、ご自由にお使いください。」
中には日記の置かれた机、ベッド、そして大きな
そう考えていた俺に、雑巾と箒を投げ渡される。
…いや、どこから取り出した!?
「まずはお手並み拝見と行きましょう」
掃除をしろと…仕方ない、やってやろうじゃないか…!
―2時間後
「ふぅ…」と息をつく、部屋の掃除をあらかた終えた
「ホウ…これはこれは、見かけによらず…主様は良い拾いものをされたようです。」
梟はそう
「では、何かわからぬ点はございますか?」
「…何にもわからない。ここは何処で、お前は誰なんだ?」
「ここは、大魔女サーラ様のお屋敷、私はその召使レイブンにございます…しかし、何も知らないのですね。これは一からご説明する必要がありそうです、ああ骨が折れる」
梟の癖に肩をすくめる。正直イラっとする、動物の見た目をしていなければ殴ってしまいそうだった。
「では、栄えある仕事の内容についてご説明しましょう。あなた様の頭でもご理解できるよに」
「なんか偉そうだな…」
「おほめに預かり光栄でございます」
「褒めてない」
「1日はあなたもご存じのように、時間経過で終了します。
「いや…当然じゃん!?」
「掃除は、今あなたがなされたように、部屋に入り、汚れに近づき、掃除を行えばよいのです。」
「は、はぁ……」なぜ今さら…
「しかし、此度の汚れたちは長らくの時間により頑固…中には魔力の
「え、汚れに殺されるかもしれないのかよ…!?」
「はい、ゆえにあなた様の仕事なのでございます。他の使い魔たちを危険にさらすわけにはゆきませんゆえ」
…掃除なんて簡単かと思ったら命がけだった。
「あなたの様の仕事はワルプルギスの茶会までに「屋敷の掃除」を行うことであります。「屋敷の掃除」の達成率により、ワルプルギスの茶会の評価が決定することでしょう」
「…」
「つまりは主様の評価はあなた
「あなた私の予想以上の優秀さで、暇を持て余しているというのであれば、他の使い魔たちと交流を行ってみるのも良いでしょう。短い間ですが、共に働く仲間です。仲を深めることに越したことはございません。」
「では最後にこれを」
小さな鈴を渡される。
「これは、『渡りの鈴』という魔法道具でして、一度行った場であれば、どこへでも瞬時にわたることのできる優れものです。なにぶんこの屋敷は広すぎますゆえ、この鈴無くしては掃除は終わることはないでしょう」
…大変な仕事が始まってしまった。
雨宿りをしただけなのに、どうしてこうなっちまった…
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