第15話 ペロル、地図を書く

四日後、ペロルは毎日街の北側を走り続け、マップ埋めをしていた。ときおり魔物に襲われることもあったが自慢の足で逃げ延びていた。


その間に四度、例の声が聞こえた。ステータスはMPとAGIに一ずつ振り分け、スキルはオートマッピングのスキルレベルアップの項目があったため試しに振ってみた。


するとマップの表示に色の表示が出るようになった。色の表示が動いていることからどうやら生き物を表示することができるようになったようだ。これは後日の要検証の項目とした。


そして五日目、ある程度マップを埋めて地図に起こしたペロルは兵士詰め所まで出向いた。オーク討伐の進行状況を聞くためと地図を渡すためだ。


詰め所に着いたペロルは話しが通っていたのか直接兵長の部屋まで案内された。兵長の部屋に入ると書類で埋もれており、兵長の顔は少しやつれていた。


「おお、ペロルだったか?まあ座ってくれ」


ペロルは長居する気はなかったが、座らなければ兵長が話をしてくれそうにもなかったため座った。


「とりあえず、オークの件は片付いたぞ。森に逃げたオークもいるそうだが道を通るのは問題との連絡を受けている。それで他に聞きたいことは?」


「この地図はどうしましょうか?」


ペロルは地図を兵長の前でひらひらと振って見せた。少し調子が過ぎたようで兵長に睨まれたので大人しく渡した。


「相変わらずいい腕だ。領主様の下で働けばこれだけで食っていけるぞ」


とても魅力的な誘惑だったが、地図が完成すれば魔物のいる区域まで探索に行かせられそうだと思った。


「その気はなさそうだな。この代金を準備するのに三日時間をくれ。おそらく金貨十枚はくだらないだろう」


ペロルの目は¥マークとなっていた。それを見て兵長は。


「本当に領主様に仕えればもっともらえるぞ」


とぼやいていた。


現実に戻ってきたペロルは、要件は全て終えたのでお暇させてもらうことにした。


次に向かう先は治療院だ。子供の様子を見に行くと、既に熱は下がっているようで元気に食事をとっている最中だった。ペロルは先生にお礼を言い、今から村に子供を送り届けると伝えた。


子どもを背中に背負ったペロルは東門へと向かう。何の問題もなく通されたペロルは少し早くなった足で東村へと駆けていく。


道中オークから二度も狙撃された村への中間地点を通ったが、何事もなく通過することができた。マップを確認してみると森の中に複数の赤い点があったが、ペロルにはまだこれが何かわからない。気になったが今は子どもを送り届けることが優先だと思い、東村まで全速力で走った。

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