第2話 ペロル、走る

ペロルは衝動のままに街を出てしまったが、手持ちは来た時に余った水と食料が二日分だけであった。馬車で三日はかかる道を何とかしなければならない。魔物が出現するこの世界では一人で野営などできない。


とにかく育った村に帰るべく僕は走った。二キロほど走ると脳内に話し声が聞こえた。


「規定条件を達成しました。スキルポイントを一、ステータスポイントを二獲得します」


何がなんだが分からずにその場に止まってしまったが、目の端に何か違う画面が見えている。その画面を見ると。


名前:ペロル

MP :5

AGI:5

ステータスポイント:2

スキル:なし

獲得可能スキル・・・etc


と書いてあった。試しにAGIへポイントを二振ってみた。スキルは体力回復速度上昇を獲得した。すると乱れていた呼吸がどんどん整っていく。スキルの効果を実感したペロルはまた走り出した。


次に驚いたのはその走る速度だ。先ほどまでより速く走ることができていた。ペロルは歓喜した。これなら村へ予定よりも早く帰ることができると。


そんな時にこそ問題は起こる。喜んで大きな声を出したのがいけなかったのだろう。ゴブリンの群れがペロルを追ってきていた。驚愕したペロルは後ろを振り向くことはせずに全力で前に走る。ゴブリンは途中まで追いかけてきていたが全力で走るペロルに追いつくことができずに諦めてしまった。


それに気づいていないペロルはそれから三キロほど走った。その時に脳内にまた話し声が聞こえた。


「規定条件を達成しました。スキルポイントを一、ステータスポイントを二獲得します」


ゴブリンに追いかけられたペロルは自分がどのあたりにいるのかを把握できなくなっていた。道はあるのだがどの分岐に進めばいいのかが分からない。そこでペロルはスキルでオートマッピングを取得し、ステータスはAGIへポイントを振った。


オートマッピングは現在位置を示したが他は真っ黒であった。どうやら取得前に移動した場所はマッピングしてくれないらしい。ペロルは来た道を引き返して正しい位置を把握するかそのまま先に進むかで悩んだが、ゴブリンの群れに追いかけられたことを思い出し前に進むことを決めた。


道を間違えずに順調に進んでいると周りが暗くなり始める。体力は有り余っているが夜道を走るのは危険だろう。そんなことを考えているとまたもや脳内に声が響く。


「規定条件を達成しました。スキルポイントを一、ステータスポイントを二獲得します」

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