第7話「脳筋聖女誕生!」
「イズンのリンゴ?
変異種?
何それ?」
この木が神様から与えられた種から生えてきたってことは、種をくれたコンビニエンスストアの店員さんが神様だったっていうこと??
そういえばあの店員さん、人間離れした美しい容姿をしていたっけ。
「待って、さっきの説明で神が与えた種に異世界転移の負荷と聖女の力が加わって突然変異したって言ってたよね?
それじゃあもしかして……私の方が本物の聖女だったってこと??」
こんなとき漫画や小説でおなじみのステータス機能があれば、自分が何者なのか分かるのに……。
【ステータス機能は異世界転移時にすでに習得しています。
空に向かって手をかざし決め顔で「ステータスオープン」と叫んでください】
「おおっ! ステータス機能本当にあったんだ!」
でも空に向かって決め顔で手をかざし「ステータスオープン」と叫ばないと見れないんだ……。
なんでそんな中二病こじらせた人が考えたみたいな方法じゃないと見られないのかな??
異世界転移したらとりあえず「ステータスオープン」と叫ぶのが鉄板だけどさ……もうちょっとどうにかならなかったのかな……?
私は念のために周りに人がいないことを確認し、それから天に向かって手をかざした。
「す……ステータスオープン!」
決め顔でそう叫ぶと私の目の前にステータス画面が現れた。
「うわっ! 本当に出た!
でも絶対今のポーズ人前ではできない!」
人前で絶対にステータスを見ないことを心に誓い、ステータスを確認する。
「えっと、習得スキルは……神の声にアイテムボックスに、鑑定スキルにステータス表示機能」
神の声というのはおそらく先程から私の頭の中に響いている、いろんなことを教えてくれる謎の声のことだろう。
漫画や小説で主人公だけが持っているチート能力の一つであることが多い、なんか格好いい!!
アイテムボックスは何でも入れられる便利なポケットみたいなものかな?
ステータス画面を確認していると、力と体力の後ろに【+60】と書いてあった。
おそらくリンゴを食べることで得た能力だろう。
「力と体力はめっちゃくちゃ上昇してる。
賢さとか魔力とか素早さとかは元のままみたい。
得られる能力にも偏りがあるのかな」
元々賢さとか魔力とかめちゃめちゃ低いので、力や体力と差はどんどんついていく。
脳筋キャラ確定かな。
気がついたら筋肉ムキムキのゴリラみたいな女になっていたら嫌だな。
「えっと……職業は聖女。
えっ?? 私が聖女なの??
私が聖女ってことは一緒に召喚された女子大生は偽者ってこと……??」
王子はどちらが聖女か尋ねてきたけど、ひょっとしたら二人とも本物の聖女だった可能性もある。
【聖女は同じ時代に二人は存在できません】
私の疑問に神の声さんが答えてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます