冬に咲く向日葵

三宅天斗

プロローグ

 高校一年、冬。高校サッカー選手権大会、福島県予選決勝――。

「負けた……」

冬の乾いた空気の中に放たれた僅かな言葉が、冷たい北風に乗ってどこかに消えて行く。ピッチの上では歓びを爆発させる選手たちと、悔しさをかみ殺して地面に倒れこむ選手が入り乱れている。


 この日、僕は初めて人の努力の結晶が砕け散る音を聴いた……。

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