月刊ボーカロイド

六野みさお

第1話 2022/9 まだ混迷模様

 最初に断っておかないといけないが、9月のボカロ界はまだどのような評価がなされるか不透明な状況である。これは9/30にプロセカ2周年という世紀の大イベントがあったことに由来する。これは今後も毎年巡ってくるものになりそうだが、3/9のミクの日、4/5のwowaka忌、8/15のカゲプロの日、8/29のミク誕生日に匹敵するボカロの一大ビッグデーになるだろう。少なくとも今年としては、昨日の盛り上がりは5/27の愛言葉Ⅳの投稿、7/21の砂の惑星5周年及び神話入りと並ぶ。


 だが、9月全体の印象としては、大手の新曲は少なかったといえる。再生数という面では、柊マグネタイト氏の『ラボ・ラトリ』がニコニコで伸ばした。これは裏命曲では過去最高の伸びであった。だがようつべではそれほど伸びなかった。DECO*27氏は『サラマンダー』をリミックスした。これはTAKU INOUE氏によるものである。


 それ以上に大きかったのは、『おしゃべりひろゆきメーカー』の登場である。これは音MAD界を大きく活性化させ、特に『ウェカピポ』のカバーは大きく伸びた。さらに謎の筋肉のある人がデータがないことを強調するMADが流行し、弱虫モンブランにブーストをもたらしている。


 新曲が少なかったせいで、旧曲は格好のチャンスを得た。ヒアソビ、ド屑、転生林檎の、いわゆる『粘り系三強』は今月一気に伸ばした。特に転生林檎は伸びが速い。この三曲は年内ミリオンは確実と思われる。


 残り3カ月となったが、年間MVP争いはますます混迷としている。ようつべで年内3曲ミリオンを達成が確実になっているKanaria氏、リミックスと新曲に加えて弱虫のブーストで今月は大きく巻き返したDECO*27氏、転生林檎がようつべで連日日間ランキング1位を記録し神っぽいなが1年以内400万再生の大快挙を成し遂げたピノキオピー氏である。この3人がその筆頭なのだが、いつまでも勝負がつかない。次に伸ばした者が勝つ状況である。


 とにかく、あと何日かしなければ9月のボカロ界を総括することは難しそうだ。そこは来月に回すことにして、とりあえずは日刊ボーカロイドを見ていただきたい。

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