第4話 悪意

第4話 悪意 Part1

<レストラン>


「これおいしい」


「よく噛んで食べろよ。急いで食べると危ないからな」


「大丈夫だよ。そんな子ども扱いしなくても」


一見すると、どこにでもいるような仲睦まじい兄弟。


しかし、その男の目には好意的に映っていなかった。


「(私としたことが。

こんなところまで尾行つけてきてしまうとは…

しかしあの時、確かに感じた。

恐らくあの男、放っておけば危険だ)」


そんな視線には気づかず、兄弟は箸を進める。


「七掌陣。あと何体いるんだろうね?」


「"七"っていうくらいだから、全部で七体なんじゃないか?」


「!?」


他の者なら気にもとめない会話だが、彼には聞き捨てならない。


「(彼らは七掌陣を追っているのか?

それでは、あの二人は開闢ドーンの一員…)」


思考を巡らせていると、彼らは席を立った。


**********


<社>


「ここでお願い事するの?」


「そうだ」


二人が祈ろうとすると後方から声がした。


「待て」


男が姿を現す。


「何か?」


「先の会話聞かせてもらった。

君達は七掌陣を追っているのだな?」


「そうだが。

あんたは?」


「私はヴォーテ・ライニング。

私も七掌陣を追っている。

君達と目的は異なるだろうが」


「目的?」


「私は七掌陣を倒すために旅をしている」


「それなら俺達もそうだよ。

俺と兄ちゃんで七掌陣を倒すの」


「お前は戦ったことないだろ…。

だが弟の言うことは本当だ。

俺達も七掌陣を倒すために旅をしている」


「悪いが、にわかには信じられない」


「何故だ?」


「私にはわずかだが、モンスターが持つ悪意を読み取れる能力がある。

その能力が、君が危険人物だと言っている!」


「それこそ、にわかには信じがたい話だな」


「君は七掌陣を集めることで、その力を悪用しようと考えているのではないか?

私も開闢ドーンの中に、こんな子どもがいるとは思ってもみなかったが」


「ちょっと待ってよ!

俺たち開闢ドーンじゃないし、悪いことしようとも思ってないぞ!」


「ならそのことを証明するため、私と五仕旗で勝負してもらおうか?」


「そんなの勝手だよ…」


「分かった。その勝負受けて立つ」


「兄ちゃん?」


「俺も疑われたままじゃ気分が悪いしな。

こいつが納得するなら、それでいい。

俺の名は、果地繁風だ」


「君の悪事はここで止める!

五仕旗…」


「Primal Generation!」

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