第3話 私には都合がいい Part3

「七掌陣を知っているか?」


「あ?」


ぐったりしている怪鳥に問う。


「その様子だと知らないようだな。

モンスターを使い、悪事をはたらく集団、開闢ドーン

奴らが躍起になって捜索しているカード。

それが七掌陣。

そして、その中の一枚がお前だ」


「俺が…

!」


**********


何かを断片的に思い出す怪鳥。


研究施設。


自身が捕らわれている。


自分だけではない。


他のモンスターも…


**********


「どうした?」


「今のは…」


怪鳥がカードになり、それをヴォーテが手に取る。


「(七掌陣の話をした途端、奴に反応が…)」


召喚しようとするが、反応がない。


「(なんだ?

七掌陣は倒すと召喚することができない?…)」


**********


「(随分と歩いたな)」


ヴォーテは次の町に足を踏み入れていた。


通りを歩いていると、向かい側から、彼と同じ年くらいの青年と子どもが歩いてきた。


「兄ちゃん、そろそろご飯食べない?

お腹空いた」


「そうか。何がいい?」


「えっとね…」


「!?」


ヴォーテはその青年から目を離すことができなかった。

見過ごしてはいけない存在だと直感したからである。


続く…

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